第13章 Blow! 〈朝日奈 乃愛〉
マンションのお風呂の割に広い…。凄いな…。
「お姉ちゃん、入ろう!」
『うん』
先ずは夕香ちゃんに髪と体を洗わせて、私も同じ様に洗う。シャンプー、申し訳ないけど三プッシュ貰いました。
「お姉ちゃんも一緒に入ろうよ!」
『うん』
「ねぇ、お姉ちゃんってお兄ちゃんの事好きなの?」
『え、あ、うん。好き、だよ』
「じゃあもう付き合ってるの⁉︎」
『え、いや…それは、まだ、だけど…』
「そっかぁ…お兄ちゃんもお姉ちゃんの事きっと好きだよ!」
『あはは…そうだと良いんだけどね』
「だってお姉ちゃん、お胸大きいよ!」
その瞬間、脱衣所の扉が開く音がした。
「あ、朝日奈。バスタオル、置いておく…」
『ひゃっ…!ちょっと、夕香ちゃん⁉︎あ、ありがと豪炎寺!』
ちょっと待って、豪炎寺が入ってきた瞬間に胸いじるの良くないって!変な声出ちゃった。
「えへへ、おっきい!」
『ちょ、ちょっと⁉︎』
というか、私下着パジャマの上に置いたままじゃ無かった?やばい、失敗した!うわぁ…どうしよ。
「夕香もおっきくなるのかな」
『大きくなったら多分胸も大きくなるよ』
まさか、揉んで大きくなるとは言えない…。純粋な夕香ちゃんを汚すわけにはいかないよ。
『それじゃあ、あと十秒数えたら上がろうか』
「うん。いーち、にーい、さーん…」
いや、お風呂まで波乱だったよ…。体を拭いてパジャマを着た。後はドライヤーで乾かすけど…。
「お姉ちゃん!ドライヤーやって!」
『はーい』
きっといつも豪炎寺にやって貰ってるんだろうな。良いなぁ、兄弟仲良しで。私は…家族に心を許せる人なんていないから。
「助かった、朝日奈」
『ううん。大丈夫。…見た?』
豪炎寺が顔を真っ赤にして視線を逸らした。見たんだ…。いや、悪いのは私なんだけどさ。
「いや…」
『見たんだ。悪いのは私なんだ。ごめんね、見苦しいの見せちゃった』
「別に良いが…」
『それじゃあ、明日の朝も朝ごはん作るよ。いつも何時くらいに朝ごはん食べてるの?』
「六時半くらいだ」
『分かった。大体それくらいにご飯になる様に準備するよ』
「ああ。俺も手伝う」
『良いよ良いよ、泊めて貰ってるし、これくらいやらせてよ』
「すまない」
『気にしないで。それじゃ』
夕香ちゃんが裾を引くから、きっと付いてきてほしいのだろう。何か伝えたい事があるのかも。