第8章 Throw! 〈朝日奈 乃愛〉
「警察の方なら当てはある」
『本当⁉︎』
「ああ」
『それじゃあ、報告の方はそっちに任せる。今日は星羅の所に行ってみようと思うの』
「鬼道に連絡するか?」
『お願い』
星羅、今行くよ。出来れば瑠璃にも来てもらいたいけど…。出るかな…。
『もしもし、瑠璃?』
「乃愛ちゃん。どうしたの?」
『これから星羅の所に行こうと思うの。来れるかな』
「うん。大丈夫」
『今何処にいる?』
「校門出る所だったの」
『じゃあそこで待ってて。今から行く』
「ヒロト君も一緒に行って良い?」
『勿論。知恵は沢山あった方が良いから』
「うん?分かった。待ってるね〜」
取り敢えず大丈夫。これからどうするかが大事だ。一番のブレインである星羅がダウンしてる今、必要なのはどれだけ良い知恵が出せるか。確か私達は新入生テストの成績が上から数えて6トップ。これならきっと何とかなる。
『鬼道君に許可貰えた?』
「ああ。綾織は今日一日部屋から出ていないそうだ。食事も取っていないらしい」
『何か買っていった方が良いかも』
「そうだな」
『あ、瑠璃達が校門前で待っててくれてるらしいんだ。四人で行こう』
「分かった」
急いで校門前に向かった。見覚えのある藤色の髪とポイントカールの赤い髪。瑠璃達だ。
『瑠璃!』
「乃愛ちゃん」
「ヒロト」
「豪炎寺君」
『星羅が何も食べてないらしいの。何か買っていこう』
「分かった」
星羅の好きなのはフルーツ。なんでも良いから食べて欲しい。このままじゃ死んじゃう…。
『豪炎寺、案内宜しく』
「わかった」
『そういえば瑠璃、藍ちゃん達は大丈夫?』
「それが…紫と琥珀が怪我をしたらしくて…。軽い怪我で済んだのは良かったけど…」
『ほんっと、卑怯な手しか使えないのかな。ムカつくんですけど』
「ま、まぁまぁ乃愛ちゃん。積もる話は着いてからにしようよ」
『そうだね。大きな手がかりも掴んだことだし、早く知らせに行こう』
「え、大きな手がかりって…?」
『積もる話は着いてから、でしょ?』
「ええ…狡いよ…」
なんかだんだんおっきなお家に近づいてないですかね…?まさかとは思うけど、違うよね?
『ねぇ…まさかとは思うけどさ…』
「…そのまさかだ」
すご…。鬼道君ってこんな立派なお家に住んでたんだ。超豪邸じゃん…。
「俺だ」
「豪炎寺か。今開ける」
門が開いて玄関迄の道が開けた。