第6章 Shine! 〈綾織 星羅〉
『ありがとう。今日はこれで戻るね。一緒に考えてくれてありがとう』
「ああ」
部屋に戻った。確かこっちの部屋だったよね…?良かった、合ってた。それにしても、春川さんの狙いは何なの…?本当に私を大会に出させない事なの?
『分からない…』
暫く考えているとノック音が三回聞こえた。
「入浴のご準備が出来次第ご案内致しますので、お声がけ下さい」
『は、はい!』
ちゃんとパジャマも持ってきている。こんなお屋敷をパジャマで歩く事を考えると何だか気が引ける。
『すみません、案内お願いします』
「かしこまりました」
こんなお屋敷だからお風呂もさぞかし大きいんだろうな…。うう、緊張する…。
「ここが大浴場です」
『ありがとうございます』
「それでは」
や、やっぱり大きい…。なんだか落ち着かない…。こんな大きいと本当に誰もいないのかが気になる。
『ふぅ…』
なんだか、大変な事になってきた。私、何か変な事したかな…。ゆっくりと上がってパジャマに着替えた。部屋に戻って、もう寝よう。これ以上考えても意味がない。今は…。
ーー翌日
「おはよう」
『おはよう鬼道君』
「七時半に家を出る。それまでに支度をしてくれ」
『分かった』
朝食を摂って、最終確認をする。髪の毛良し、時間割良し、服装も良し。あと、日焼け止めも塗ったし。多分大丈夫。
「準備は出来たか」
『うん。大丈夫』
「それじゃあ行くか」
『うん』
「行ってらっしゃいませ、坊っちゃま」
「ああ、行ってくる」
「綾織様も気を付けて行ってらっしゃいませ」
『はい。ありがとうございます』
鬼道君と一緒に家を出た。車で登校とかしそうだけど、普通に歩いて行くんだ…。そんな事を考えていたら、上からの影が…。
「離れろ!」
鬼道君に抱き寄せられる。上から鉄骨が落ちてきた。そんな…なんでこんな…。
『嘘…!』
「徹底的に狙ってきてるな」
『ど、どうしよう…』
「警戒しろ。何があるか分からない」
『う、うん』
どうして…こんな事になるの…?教室に入って、取り敢えず一安心した。
「星羅!」
「星羅ちゃん!」
『乃愛ちゃん…、瑠璃ちゃん…』
「手は大丈夫⁉︎」
『お、大袈裟だなぁ…大丈夫だよ』
「鬼道君、だっけ?星羅の事、ありがとね」
「ああ。だが、こいつは狙われている。お前達にもなんかしらあるかもしれない。気を付けろ」