• テキストサイズ

Break! 【イナズマイレブン】

第54章 Graduate!〈綾織 星羅〉


『はい』

有人君がずっときて欲しかったであろうビスチェタイプのAラインドレス。ビスチェだから袖がないし胸元も空いている。切る時も大分胸を寄せて着るから、それなりにセクシーに見えるかもしれない。けど、私だとあんまり見えないんじゃないかっていう変な不安が出てきた。

「凄くお似合いです。もうそろそろカメラマンも到着されますので」
『あ、はい…!』
「それではアクセサリーなどをお付け致しますね」
『お願いします』

メイクシーンを写真撮影してもらう様にお父さんが頼んでおいた様で、大分恥ずかしくなるなぁ。

「失礼します」
「どうぞ!」
「本日カメラマンを担当することになりました、藤田と申します。宜しくお願いします」
『こちらこそ、宜しくお願いします』

女性のカメラマンだったから、あんまり緊張せずに済んだ。係の人達とカメラマンと談笑しながらメイクをして貰った。

「さあ、出来ましたよ」
『うわぁ…!本当に私ですか…?』
「そうですよ。旦那様の準備も整った様ですので、ファースミートを行いましょう」
『は、はい…!』

そっか…式場に着いてからは全く会ってないから、これから着替えた私を初めて見るんだ。

「旦那様が到着されました。後ろを向いて下さい」
『は、はい』

ガチャ、という音と共に誰かが入ってくる音がする。その「誰か」なんてとうに分かりきっている事のなのだけれど。

「星羅」

優しい声が聞こえてくる。椅子からゆっくりと立ち上がって横に移動する。そのままゆっくり「誰か」の方へと向きを変えた。

『有人君』
「…っ!」

顔を真っ赤にして口元を手で押さえている。というか、未だにゴーグル付けたままなんだ…。

『すみません、少し二人きりにして下さい』
「分かりました。準備が整いましたらお申し付け下さい」
『はい』

係の方達が出ていくのを確認すると、有人君も大分落ち着いた様で。

「綺麗だ。星羅」
『あっ…ありがとう…』
「言葉が出ないとは…こういう事だな…」
『私、嬉しいよ。だって、やっと有人君の奥さんになれるんだもん』
「短い様で、長かったな…此処に辿り着くまで」
『最初は…何でもやって貰ったから、はいって返事をしなきゃいけないって、ただそれだけだったの』
「俺もそうだろうなとは思っていた」
『でも、気付いたら大好きで大好きで仕方なくて。だから…ありがとう、有人君』
/ 425ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp