第52章 Connect!〈天晶 瑠璃〉
『届いた?誕生日プレゼント』
「ああ。きっかり16日に」
『ちゃんと計算して送ったんだから』
好きな人の誕生日は、やっぱりちゃんとした物をプレゼントしたいし、何よりきっかりに届いてちゃんと喜んで欲しいから。
『口で言うのは遅くなったけど…お誕生日おめでとう。ヒロト君』
「ありがとう。結構前だけどね」
『いいの〜!』
ちょっとむくれながらもう一度マーケットの道を歩き出した。人が案外多くて見失いそうになる。
「瑠璃、こっち」
さり気なく手を繋いでくれて、人混みを抜けた。なんだか、知らない間にその背中がとてつもなく頼もしく見えた。日本ではサッカー部で一応先輩としてやってるんだもんなぁ、と思いつつちょっと不安になった。
『ありがとう。何か人多かったね』
「週末だからじゃないかな」
まぁ、日曜日だし無理もないかな。
『何か、人に揉まれて疲れちゃったね。休める所に行こっか』
「そうだね」
『あ、そうだ。丁度お腹も空いたし、ご飯食べよ?』
「じゃあ、瑠璃のおすすめで」
『任せて〜!』
最近のお気に入りのお店に行く事にした。あまりに通いすぎて店長と仲良しになっちゃったんだけど。
『はろ〜!』
「Oh!Ruri!」
凄い英語っぽいけど、実は日本語ペラペラのジョニーさん。
『良いよ〜。今更英語言わなくても』
「お、今日はボーイフレンドを連れてきたのか〜」
『そう!彼氏のヒロト君です!』
「Hello.My name is Hiroto Kiyama.I play soccer in Japan.Nice to meet you.」
「Nice to meet you,too.」
『こちらジョニーさん。このお店の店長なの』
「すっげーペラペラだな!」
「それなりに勉強しました」
それなりというか、結構ガッツリ勉強してたぞ…?まぁ良いや。
『ジョニーさん、いつもの二つ!』
「あいよ!」
暫くすると、私にはちょっと小さめのハンバーガー。ヒロト君にはレギュラーサイズのハンバーガーが出てきた。少食なのを知ってるからハンバーガーの量をかなり少なくしてもらっている。
『すっごく美味しいんだよ!食べてみて!』
やっぱり食べる所は男の子な様で、結構豪快だった。でも、そういう所も彼女しか見られない特権ならちょっと嬉しいって思っちゃったりするんだよなぁ。