第49章 Wound!〈天晶 瑠璃〉
本屋さんに来てみたけど、やっぱり英語はコモンランゲージなだけあって、沢山の参考書がある。
「どれ選べば良いんだろう…」
『取り敢えず初心者向けから選ぼうか』
「参考書の中でも上級者向けと初心者向けがあるんだね」
『うん。だから、出来るだけ初心者に優しいものを選んだ方が良いんじゃないかな』
ネットの評価も案外馬鹿にできない。4〜5個のサイトを見てそこから選ぼう。本当に良いものはどこのサイトにもトップ5位には入っている筈だ。
『これがネットの評判良いみたい』
「ネットって…信用して良いの…?」
『4〜5のサイト見てきたけど、これが一番乗ってる数多かった』
「え、凄い…。そこまで調べるんだ」
『こういう参考書って最初が肝心だから。しかも結構お手頃価格でしょ?取り敢えず今日はこれって事にして、またお金がある時にでも買いにこよう』
「うん」
もう一回ヒロト君に会いに行こう。そして、留学の事話さなきゃ。そんなに遅くないから、看護師さんに許可を取れば多分大丈夫。
『私、これから寄る所あるから』
「そっか、明日五時に待ってるよ!」
『はーい。ばいばーい!』
急いで病院に行って、看護師さんに頼み込んだら漸くオッケーを貰えた。
『ヒロト君…!』
「瑠璃…!どうかした…って…」
『聞いて!ヒロト君!私!アメリカにバレエで留学出来ることになったの…!』
「凄いじゃないか!」
『一番にヒロト君に伝えたかったから…!イナズマジャパンのマネージャーになって、本気で熱中できる事と向き合いたいと思ったの!』
「それで、いつから?」
『今年の七月から1年』
「遠距離になるね…」
確かにちょっくら行ってくるっていう距離ではない。時差もあるから気を遣わなくちゃいけなくなる。
『私、好きな事に向き合いたい。ヒロト君や皆みたいにバレエで勝負したい…!』
「瑠璃…凄く成長したね」
『えへへ…』
「瑠璃がそう決めた事なら俺は反対しないし、寧ろ賛成だよ」
『ありがとう。それだけ伝えたかったの。バイバイ』
「ああ」
ヒロト君に会ったら、もっとやる気になった。そうだね。例え今の状態が親友三人でバラバラだとしても、私は私の道を進むよ。
『後は星羅ちゃんだよ…。鬼道君…頑張って…』
これ以上悲しそうな二人を見ていられない。アメリカに発つ前に何とかしてあげたい。そうだ、良い事思い付いた…!