第44章 Let’s play cards!〈櫻小路 椿姫〉
「ごめん、俺あがりだ」
『そうだろうなぁ…とは思ってたけど…』
「まぁまぁ…こればっかりは運だからどうしようもないな」
『ううん。ただ、罰ゲーム決める人が人だけに…』
ああぁ…最初から罰ゲームって…。
「罰ゲームの内容は…」
『内容は…』
「今日一日、語尾にひじきをつけろ」
何故ひじき…?いや、でもこれなら喋らなければひじきを言わなくても良いんじゃ…。
「それじゃあ二回戦行こっか。じゃ、修也宜しく」
「ああ」
よし、これからお口チャックだ。喋らない様にしよう…。配られたカードを見ると、凄い…!今回は私も二枚からのスタートだ…!
「凄いじゃん、椿姫!二枚スタートだよ!」
口を開かずに、頷いて返した。ここからは本気で行く。もう罰ゲームだけはごめんだ。
「じゃあ、俺からな!」
綱海君からの時計回りでスタート。さっきとは打って変わって、余裕だった人も結構焦り始めている。そんな私はあと一枚。次、飛鷹君が引けば私は一あがりだ。
『よし、一番だ…!…ひじき』
「ぷっ…」
後は皆の見てようかな。皆を見てると、そういえば次の試合はアジア予選決勝だった。次の相手はオーストラリア代表のビッグウェイブス。ボックスロックディフェンスを得意としているけれど、海の凶暴さを併せ持つ、バランス型のチームだ。
「おい、椿姫」
『あ、不動君…ひじき』
「お前な…」
『だって…罰ゲームなんだもん…ひじき』
「んなもん律儀に守んなくて良いんだっつの」
『ええ…ひじき』
不動君も良い所で抜けて、罰ゲームを回避したみたいだ。そろそろビリが決定しそう。次は誰になるんだろう…。というか、また風丸君残ってるんだけど…。大丈夫かな?
「くそ…」
「あ、ビリは風介君に決定ー!」
なんかこれ仕返しみたいになってないかな…。待てよ。語尾で罰ゲームされたなら、語尾で返せば良いじゃないか。
『ビリの罰ゲームは…今日一日、語尾にゃんをつけるひじき』
「段々語尾が自然になってきてるよ…椿姫ちゃん…」
「くそっ…にゃん」
やばい。これは笑える。普通に面白い。
「やばい、きしょいきしょい!」
「う、うるさいにゃん!」
説得力がまるでゼロの模様。これに猫耳つけたら絶対面白い。
「よーし、次!」
『私、ご飯作ってくるひじき』
「あ、私もだ。行ってくるね」
「行ってらっしゃーい!」
「はーい!」