第44章 Let’s play cards!〈櫻小路 椿姫〉
「これさ、一抜けした人がビリの罰ゲーム決めるって事で良いんじゃね?」
「おぉ〜それ良いじゃん!決定ー!」
ビリにだけはならない様にしよう…。ババ抜きはほぼ運のゲームだ。今日の運勢がどうだか分からないけど、ビリにはなりません様に!
「じゃ、ペアのカード真ん中に置いてって!」
や、やばい…。ペアが一枚もない…。いや、まぁこれだけ居ればそうなるかもしれないけど、ペアをもう出してる人も居るからちょっと焦ってくる。
「もう無い?大丈夫?」
『うん、大丈夫』
やばいやばい。もう二枚の人居るんだけど。強運すぎ…。
「お前…ヤバすぎだろ…。しょっぱなから二枚って…」
「ズルはしていない」
強い強い強いって!でもまだ分からないし!運はきっと負けてない…はず!風介君は二枚からのスタート。私は六枚からのスタート。この差は何…。
「次、椿姫ちゃんが私のを引くんだよね…?」
『うん。大丈夫だよ。それじゃあ一枚貰いまーすっと…』
星羅ちゃんの手札から一枚貰ってみると、やっぱりペアは揃わない。いやいやいや、焦っちゃだめだ!
「え…風介君あがり?」
「じゃ、罰ゲームの決定権はお前だな」
「ふっ…悪くない…」
『なんか一番当たっちゃダメな人に当たっちゃった様な…』
「だ、大丈夫だよ!ビリにならなければ…!」
大丈夫!大丈夫だよ!焦んなって、私!
「残るは…あと五人だな」
女子私しかいないんだけど…!皆の裏切り者〜!この中で未だにカード六枚なんですけど…。
「よっしゃあがり!」
ああ…南雲君まで…。もう、此れは負け確定です…。あ、やっと五枚!でも皆二枚とか三枚なんだよな…。中には一枚の人も居るし…。
「僕もあがりだよ」
吹雪君が上がりました。でも嬉しい事にジョーカーは持ってない。と言うか一回も回ってきてない。でもこういう少人数の時に回ってきやすいんだよなぁ…。
「俺もあがり!」
緑川君の残りの一枚を引いて、カードの絵柄を見ると、ジョーカーって書いてある。
『うっ…』
「俺と一騎討ちだな」
『お手柔らかにお願いします…』
「というか、もうカードの枚数から言って負けかk…むぐぐ…!」
「言ってやるな」
一騎討ちって言ってもなぁ…。風丸君が三枚。私が四枚。流石に四枚から巻き返すのは厳しいと思う…。
「あと二枚になっちゃったな」
『あはは…。そうだね…』