第43章 FFHI Ⅶ〈朝日奈 乃愛〉
韓国戦はとても心地よいものだった。其々が本気だった。観客も試合展開に思わず息を呑む程の熱いものだった。試合結果は1対2でイナズマジャパンの勝利。最後の十分迄は本当に互角で、修也が放った爆熱ストームで何とか一点差をつけた。
『お疲れ!次はいよいよアジアの決勝戦だよ。頑張ってね!』
「おい、朝日奈と言ったな」
『うん?』
涼野君、一体どうしたんだろう。
「さっきは…助かった。感謝する…」
『あぁ…あれ。気にしなくていいよ。私達は選手の笑顔が見られればそれで良いんだから』
「あ、あぁ…。だが、勘違いするなよ!決してお前を認めた訳では…」
『てゆーか、私まだ認められてなかったの?』
「あ、当たり前だ!」
あーあー。素直じゃないなぁ。修也のちょっとうるさいバージョンだ。
『あはは!涼野君って面白いね!誰かさんとそっくり!』
「なっ…!」
『じゃ、今日はゆっくり休んでね!』
例の三人に手を振って別れて、合宿上に戻った。
『あ、おばさん!今日もありがとうございます!』
「良いのよ〜!あんた達も早く食べて寝な!」
『は〜い!』
そういえば、明日も休みなんだっけ?何しようかな。久し振りに勉強でもしようかな。確か会議室とかも自由に使って良いみたいだし。そうだ!
〈明日、練習休みなので会議室で勉強会をしようと思います。冬休みの宿題を早々に終わらせたい人や、学校の授業に追いつきたい人は是非来てください。強制じゃないので、来たい人だけで大丈夫です〉
イナズマジャパンのグループラインに送信した。もう何人かは既読をつけてくれている。
〈明日行きます〉
あ、星羅から来てる。結構来るみたい。此処までで…六人。と言っても何時もの六人だけど…。あ、椿姫も来るみたい。となると、不動君も来る流れかな。
〈俺はサッカーだ!〉
流石円堂君。生粋のサッカー馬鹿。というか、来ない人の方が少ないな。来ないのは、飛鷹君と綱海君、それから円堂君と涼野君。ま、高校は義務教育じゃないから、進めておかないと痛い目を見る事を分かっているんだろう。
〈それじゃあ明日の勉強会は9:00から21:00まで。その時間通して居なくてはならない訳ではなく、途中退室も可能にします。折角複数人でやるので、分からないとことか聞き会える様な雰囲気にしましょう!〉
皆了解のスタンプを押してくれているので大丈夫だろう。