第43章 FFHI Ⅶ〈朝日奈 乃愛〉

ーー翌日

いつも通りに早起きして、会議室に荷物を持って向かった。ホワイトボードに必要事項を書いていく。皆、案外来てくれてちょっと嬉しい。

「乃愛」
『あ、修也おは…』

ぐううう〜

「そんな事だろうと思って、朝食を持ってきた」
『うわ〜！ありがとう！めっちゃお腹空いてた！』
「先に食べたらどうだ」
『うん、そうする。修也は？』
「俺も良いか？」
『勿論。みんな来る前に食べちゃおう』

皆各々で起きるだろうからって、お弁当を頼んでおいたんだっけ。めっちゃ美味しそう…。

『いただきまーす！』
「案外、皆来るみたいだな」
『そう！びっくりした。円堂君はまぁ来ないだろうなぁとは思ってたけど、此処まで皆来てくれるなんて思ってなかったっていうか』
「あいつはサッカー馬鹿だからな。三度の飯よりサッカーを選ぶぞ」
『それは修也もでしょ。南雲君辺りは来なさそうって思ったけど結構真面目な所あるのかもね』
「涼野の事も引っ張ってきそうだな」
『あ〜それあり得るわ』

確かにあの二人は一緒にいる事が多いし、涼野君の面倒？見てる人としては連れていきたいだろうなぁ。

「驚いたのは不動だな」
『やっぱ一番はそれだよね。まぁ、椿姫が来るからだろうけど』
「丸くなりすぎて最近逆に心配されてたな」
『うわ…完全に手懐けられてるわ』
「最早溺愛の粋を超えてるな」

の割にそういう事しないんだもんなぁ。案外ヘタレだったりして。

『椿姫に聞いたらさ、スキンシップ殆どしてないんだって』
「最初の俺達もそんな感じだったな」
『今となってはケダモノさんですけどね。どっかの誰かさんは』
「不動も一度ヤったら多分この気持ちが分かる」
『理解したくないです〜』

最初は修也だってちょっと遠慮してたところあったよ。まだ「むっつり」スケベだったから。でも、今となっては普通のスケベだからもう手のつけようがない。

『そういえば、夕香ちゃん元気かなぁ。最近会ってないから、久し振りに顔見たくなっちゃった』
「一応元気だっていうLINEはちょくちょく父さんから貰ってる」
『そっか。私まだお父さんとLINE交換してないんだよね。後で連絡先頂戴』
「ああ」
『というか、一日一枚お父さんから夕香ちゃんの写真送ってくれれば良いのになぁ』
「…！」
『何そんな考え思いつかなかった、みたいな顔してんの』
「いや…」