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Break! 【イナズマイレブン】

第42章 FFHI Ⅵ〈綾織 星羅〉


別に家なんか、あっても無くても君が居なくちゃ意味を為さない。でも、此処は潔く諦めると決めたから。もう、深くは追求しない。

『待って下さい』
「あら、まだ何か?」
『貴方の心が、悲鳴をあげてるのに気付いてないんですか?』
「な、何を…」
『苦しいって叫んでます。こんな自分、嫌だって』
「ふ、ふん!私、今の私のままで十分ですわ!」

踵を返して言ってしまった。余計な事、だったのかな…。

「星羅、どうかしたのか」
『あ、ううん。何も。忘れ物が無いか見てただけなの。今から戻ろうと思ってて…』
「そうか。皆心配していたぞ」
『ごめんね。一緒に行こうか』

ポニーテールを靡かせて、有人君のもとに駆け寄った。君を見る度、ああ、好きだなって心の底から思う。

『今日は凄く接戦だったね。でも、勝てて良かった』
「言っただろう。お前に勝利以外は持ち帰らないと」
『…うん!』

こんなに思ってくれてる。何かを返したいと思う度、自分の情け無さを痛感する。何か出来ることは無いのかな…。あ、そういえば、ミサンガなら付けてても試合の邪魔にならないかな。頑張って編んでみようかな。

『韓国戦も頑張ろうね。しっかりサポートするから』
「勿論だ。司令塔として更に腕を磨かなければいけないな」
『皆、有人君を信頼してる。だからこそ、その指令についてくる。私、凄いと思うの。例えチームの司令塔だとしても付いてこない人だって居るはずなのに。でもこのチームは違う。皆有人君を信じてその指示通りに動いてくれる。こんなに凄いことってきっと無いんだよ』
「そうだな。中学の事もあってか、俺と不動の指令についてきてくれている。本当にそれがありがたい事なんだと、部活に入って学んだ」
『先輩がいる中で指令なんてとても出来ないもんね』
「そうだな。だからこそ、このイナズマジャパンは最高のチームメイトだ」

そうだよね。この16人でプレー出来る。それだけで凄く嬉しい事なんだ。

『私は、その最高のチームにマネージャーとして携われる事がこの上ない幸せだよ』
「そうだな」

その瞬間、唇に柔らかい感覚を感じた。大丈夫。伝わってるよ。君の気持ちが。

『有人君、大好きだよ』
「愛している。星羅」
「え、あの鬼道から愛してるなんて出てくんのか…」
「おい、静かにしろよ。聞こえちまうだろ」
「お、おい、押すなって…!」
「うわああああ!」
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