第5章 Light! 〈朝日奈 乃愛〉
ーー翌日
「おはよう」
『お、おはよっ!豪炎寺』
顔を見ると昨日の事を思い出してしまう。目を合わせられない。
「おはよう乃愛」
『あ、おはよっ!アフロディ!』
あ、あれ…?なんか豪炎寺とアフロディが変な空気…。
『ちょ、二人ともどうしたの?月曜からそんな空気じゃ楽しいのも楽しくなくなっちゃうよ!』
「いや…別に」
『あたし、二人が笑顔の方が嬉しいよ。だって、怖い顔してても何も解決しないし』
「…ふふ、そうだね」
月曜からどうなるかと思ったけど、まぁ良しとしよう。
「朝日奈」
『ん?何』
「今日、お前の歌を聞きに行って良いか?」
『へっ…⁉︎』
私、ずっと豪炎寺はサッカー部にしか行かないんだと思ってた。聞きに、来てくれるの?
「それなら僕も行きたいな」
『え、えっと…』
「嫌なら諦める」
またそれ言うんだから。それ、言われたら良いって言うしか私に選択肢はないんだって。
『べ、別に、部活動体験は個人の自由だし、どこ行っても良いんじゃない…?』
「それじゃあ、見に行かせてもらうよ」
「ああ」
二人してなんなの…も〜。私の歌そんな良いものじゃないって言ってるのに!それに豪炎寺まで来るとか、私緊張で死にそうなんだけど!
「皆、席ついてね。朝のSHR始めるわよ。今日は木曜日の新入生テストの結果を返すからね」
うげっ…もう返ってくんの?うっわ…、どうだろ、今回は二位くらいにはなれるかな。私は出席番号最初だから、一番最初なんだけど、点数は…。
国語 98
数学 97
英語 97
うーん。今回は負けたかも。多分星羅負けず嫌いだから今回めっちゃ頑張っただろうし。ほぼ満点なはず。瑠璃だって…。
「どうだった?」
『あ、ああ…そんな大した事無いよ。せーので見せ合いっこする?』
「それじゃあ行くぞ」
『せーのっ』
国語 95
数学 99
英語 95
「お前…そんな頭良かったのか⁉︎」
『あっはは…よく言われる…。でも瑠璃や星羅には敵わないかな』
「いつも一緒にいる奴か」
『うん。そう。瑠璃は入試トップで、星羅は二番目。で、あたしは三番目。同点がいなければの話だけど』
「お前達…実は凄かったんだな」
『そんな事無いって。私も努力はしたつもりだけど、勉強には向いて無いって言うか、星羅達に教えてもらったからここまで来れただけだし』
「ならお前は歌で戦えば良い」