第35章 FFHI I 〈天晶 瑠璃〉
『チーム2は私、天晶 瑠璃と綾織 星羅がマネージャーを務めます。お願いします』
ドリンクのボトル等の必要な物は支給されるみたい。タオルとかは持参制。
「今日から練習を始める。俺達は河川敷に移動だ」
「じゃあ俺達は明電のグラウンドだな!皆!行くぞ!」
「おう!」
「瑠璃ちゃん。私達も行こうよ」
『うん』
クーラーボックスに氷を一杯詰めて、人数の分よりちょっと多めにボトルを入れた。一応何があるかわからないから、予備で2、3本入れておいて損は無いだろう。
「基山君とは離れちゃったね」
『大丈夫だよ。ヒロト君なら』
「…そうだね」
『まぁ…心配してないって言ったら嘘になるけど』
「それは、私達なら皆そうだよ」
『うん…』
今日は、この練習が終わったら真っ先にヒロト君を迎えに行こう。それまでは、相手チームの事は忘れよう。
「今日は宜しくね」
『吹雪君…だよね』
「そうだよ。これからお世話になるから挨拶しておこうと思ったんだ」
『正直記憶力はまだ全然だから、名前が分かる位で顔と一致しない所多いと思う。間違ったらごめんね』
「大丈夫だよ。何かあったらフォローするから」
『うん、助かる。それじゃあ私、仕事あるから、またね〜』
「うん」
日本代表が集まるだけあって、部活で見ているよりもレベルが高い。確かにレベルが高い人もいる。円堂君を筆頭に雷門メンバーや、ヒロト君達お日さま園のメンバーが相当する筈。巷では黄金世代の始まりみたいな事言ってるけど、きっとそんな簡単な言葉じゃ足りない位に凄い努力をしてきたんだ。
「五人ずつに別れてサッカーバトル形式で行う!」
そこからバランス良く五人に分かれてキーパー無しのゲームになる。源田君はマシーンで練習するらしい。皆凄いな。やっぱり、代表に選ばれたい気持ちで一杯なんだ。
「始め!」
ホイッスルの音と共にサッカーバトルが始まった。その間、私達はドリンクを作らなきゃいけない。なんか、暫くやってなかったけど覚えてるものは覚えてるんだなぁ…。
「瑠璃ちゃん。そっち終わった?」
『うん。あとはクーラーボックスに入れて置こうか』
「分かった。後は見守るだけだね」
『時間になったらホイッスル鳴らして、丁度良い所で終わらせよう』
「そうだね」
皆頑張ってる。必死にボールを取られまいとするFWに、絶対にボールを取ってやろうというDF。