第34章 Swear!〈綾織 星羅〉£
「後悔しても…遅いぞ」
『後悔…しないよ?』
その意を示す為に自分から有人君にキスをした。すると、背中に寒さを感じた。
「ドレスを汚す訳にはいかないからな、脱がすぞ」
『うん…』
下着だけになるから、さっきよりは寒い。でも、暖房があるからじんわりと暖かい。
「父さんが居なくて良かった」
『バレてたら大変だったね』
「ベッドに行くか」
『う、うん…』
自分で行こうと思ったら、お姫様抱っこの形で連れて行かれた。素肌に触られる感覚が初めてな筈なのに、何故だか初めてじゃない気がする。初めてじゃないとすれば、唯一記憶のないハロウィンの時位…。
「実はな、お前に触るのはこれが初めてではないんだ」
『ハロウィンの時…?』
「ああ。お前がウィスキーボンボンを食べて酔っていた」
『やっぱり…。何か中学生の時にもそういうのあったみたいで…』
「まぁ…仕組んだのは朝日奈だがな」
『やっぱり…。最後まで、いった?』
「いや、途中までだ」
『そ、そっか…ちょっと安心した』
「…?」
『だって、意識無い時に繋がってても…覚えていないの嫌だから…』
「あまり、可愛い事を言うな」
ちゅっちゅとあらゆる所にキスをされる。胸元に、お腹に、頬に、額に、唇に。真紅の瞳が私を見つめる。揺らぎのない、真っすぐな瞳だ。
『やっぱり…綺麗』
「それは俺の台詞だ」
『いつ見ても、有人君の瞳が大好きなの』
目元の涙袋をそっとなぞった。自分だけが見れる、この瞳に少しだけ優越感を覚えた。
「俺は、お前の髪と目が好きだ」
『?』
「スペクトロライトの色とカナリアの色がそのまま星空の様で」
『そんな事…言われた事無かった。なんか…嬉しい。ありがとう、有人君…』
星空…か。星は昔から大好きだった。だから凄く嬉しい。
「いいか…?これから先は恐らく俺も自制が効かなくなってくる。嫌だと思ったらすぐ逃げてくれ」
『逃げないよ。有人君だもん』
逃げる訳、無いよ。有人君にされて嫌な事なんて何一つ無いんだから。
「いくぞ」
『うん…』
上の下着を脱がされて、今まで隠していた部分が露わになる。そうだ…まだちょっと痣が残ってるんだった。
『ご、ごめんね…?見ても綺麗じゃない肌で…』
「いいや、綺麗だ。この痣はお前の心が綺麗な証拠なんだ」
『…うん』
「触れるぞ」
頷くと、若干冷たい掌が双丘を覆った。