第34章 Swear!〈綾織 星羅〉£
ーー翌日
「え、プレゼント?そっか…クリスマスだもんね」
『乃愛ちゃんは決めてないの?』
「うーん、なんか、私ってあんまりそういうプレゼントで悩まないタイプだからさ。直感で決めるって言うの?」
『確かに…乃愛ちゃんそんな感じかも』
乃愛ちゃんは確かに第六感というのが著しく働くタイプであるのは分かる。乃愛ちゃんの良い勘は良く当たる。そして悪い勘の方は瑠璃ちゃんが良く当たる。
「星羅。焦る気持ちは分かる。でも、そういう時こそ、相手に受け取って欲しい物を考えてみるべきだと思う」
『乃愛ちゃん…ありがとう…!』
「ううん。星羅は思い詰めちゃう時があるからさ。そういう時は一人で抱え込まずに誰かに相談する事。私達じゃなくて良い。未来の旦那さんでも」
『の、乃愛ちゃんっ…!』
「本当の事でしょ。もう、答えは決まってるんじゃないの?」
『うん!』
私が有人君に受け取って欲しいもの…それは…。あれしか無いよ。
「ねぇ…星羅」
『ん?』
「星羅にも、FFHIのマネージャーの件、来たでしょ?」
『うん…来たけど…』
「なんで、私達三人なんだろうね…。先輩方に行くと思ってたのに…」
『きっと、響木さんが私達を選んだのには何か理由があるはずなの。私は、それを信じたい』
「不思議だね。私達よりベテランの人、居るはずなのに」
『私、乃愛ちゃん以上の過酷な三年間を送ってきた人見た事ないよ…』
部員が沢山居る中、一人で三年間切り盛りしてきたベテランの乃愛ちゃんは動きを見れば分かるけど、準備する動きが異常に速い。偶に人外なんじゃないかって疑いたくなる。
「そうかな?でも、こういうのって慣れじゃない?」
『う、うん…?』
「でも、私達三人なら大丈夫だよね。私達なら…」
『うん。大丈夫だよ。きっと』
私達が出来る事は、マネージャーとして選手をサポートする事。
「乃愛」
「あ、修也。ごめん、私達帰るね」
『う、うん!バイバイ!』
乃愛ちゃんからは大きな助言を貰えたことだし、やってみようか。
「星羅」
『有人君』
「そろそろ帰るか」
『うん』
もう十二月。そろそろ一年も終わっちゃう。何だか長いようで短いような…。一年の初めには、二人で初詣行きたいなぁ。二年生なったら有人君とクラスも変わっちゃうのかな。何だか嫌だな。今までより遠くなっちゃうのは。今年の内に出来る事、やっておかなきゃ。