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Break! 【イナズマイレブン】

第33章 Ring!〈朝日奈 乃愛〉


「乃愛」
『ごめん、遅くなっちゃったね。帰ろう』
「天晶は」
『声、出る様になった』
「⁉︎」
『これはね、彼氏には出来ない事だと思うんだ。彼氏よりも長く付き合ってきた親友にしか出来ない…大切な事』

それぞれに彼氏が出来たけど、でもだからと言って親友の関係は変わらない。大切な、親友。

『そういえば…明日って運動公園行くんだよね』
「ああ」
『お弁当作らなきゃ。手伝ってくれる?』
「勿論だ」

明日、きっと良い日になると信じてる。この家族がもっと成長していける様に、私は協力したい。

『ただいま〜』
「お姉ちゃん!お兄ちゃんもお帰り!」
「ただいま、夕香」
『遅くなってごめんね。すぐにお昼作るから』
「うん!」

大分この家に帰る事も慣れてきて、何だかこの家族を見てると心が暖かくなる。

『ご飯だよ』
「わぁ…オムライス!」

オムライス、最近結構練習したから結構いけてると思うんだけど、前は結構うまくいかなくて悩んでたなぁ。卵ぐちゃぐちゃだったり、味付けもミスったり。

「おいしい!」
『良かった』
「明日、楽しみだね!お姉ちゃん!」
『そうだね。お弁当、作るから楽しみにしててね』
「うん!」

私達家族は壊れてしまった。今必死に修復してる所だけど…きっと治そうとしてもそう上手くはいかない。何故なら、子と親はそれなりに価値観が似る筈なのに、全くもって逆だから。多分、私は100%心を許せるかと言われたら精々10%位しか信用できない。親友よりも信用出来ないなんて。

『食器洗うね』
「俺も手伝う」
『ありがと』
「俺達の心配は良いが…お前の方は良いのか?」
『確かに、お父さんとお母さんは改心した。けど…まだ、話したくないんだ。いつかは、ちゃんと向き合わなきゃいけないって言うのは分かってるんだけど』
「…」
『でも、正直言えば、縁を切ってしまいたいとさえ思ってる。あの二人といると、私敬語になっちゃうし、警戒もしちゃう。それに、未だ人と人の絆を「物」と思ってる人とは、分かり合えない気がして』

分かってる。今までの様に酷く扱わなくなったっていうのは。でも、それだけだ。考え方が変わったかと聞かれればそうじゃない。私が説得した所で価値観が違うんじゃ分かってもらえない。

「そうか…」
『今は、協力させて欲しいんだ。私の事は自分で何とかするよ』
「あ、ああ…」
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