第27章 Feel! 〈天晶 瑠璃〉£
『どうしたの、ヒロト君』
「緑川と、何を話してたの」
『え?普通に世間話だよ?』
「あんなに楽しそうに話しておいて、世間話だなんて笑わせてくれるね」
ヒロト君、なんだか怖いよ…。本当に世間話しかしてないんだけどなぁ。そもそも初対面だし。
『逆に何の話してると思ってたの?』
「え…?」
『だって私、緑川君と完全に初対面だよ?世間話位しか話す事無いよ』
「…」
キョトンとした顔してるんだけど。逆に初対面で甘い雰囲気になる方が頭大丈夫ですか?ってなると思う。
『…ヒロト君?おーい!』
「もう俺の負けで良いよ」
『?』
「嫉妬…した」
もしかして、緑川君と話してたから嫉妬してたの?案外可愛い所あるのかも。
『ヒロト君、可愛い』
「あのさぁ、男の子に可愛いって嬉しくないんだけど」
その瞬間壁に押し付けられて、視界一面がヒロト君で染まった。所謂壁ドンってやつ…なのかな。
「気付いてる?此処、俺の部屋なんだけど」
『ヒ…ロト…君?』
段々と追い詰められて、顔が近付いてくる。目を閉じても、唇に感覚は無い。
「キス、されると思った?」
悪戯っぽく笑う顔に、少しドキッとしてしまう。同時に、自分が無意識のうちにキスを求めてしまっていた事が恥ずかしい。
『思った…』
そう答えるとキスが降ってくる。こんな所で、良いものなのか…。
『んぅ…ちょ、ちょっと…』
「ちょっと、何?」
『可愛いって言ったの…謝るから…んっ…』
「許さない…」
『ご、ごめん…許して…?』
「じゃあもう少し、このまま…」
角度を変えては啄むようにキスをして、止まらなくなる。
『ふぅ…』
「瑠璃…良い…?」
何に対して聞かれているのか分からない。まだキスまでしか行った事が無いからその先が分からない。そういう行為がある事は知ってるけど、具体的にはどうなるのか分からない。
『わ、私、分からないよ…』
「…?」
『キス…までは知ってるよ…?でも、そこから先知らない…から…』
「大丈夫、俺が教える。手取り足取り…ね?」
『ふぇ…?』
いきなりお姫様抱っこされたかと思ったら、ベッドに降ろされた。
『あ、あの?この状態は?』
「今から、キス以上の事するから。その為の場所移動」
『ば、場所移動?』
「うん、だから寝っ転がって?仰向けで」
『うん…?』
取り敢えず言われた通りに寝っ転がった。