第27章 Feel! 〈天晶 瑠璃〉£
今日はヒロト君にお日さま園に来てみないかって誘われたので、行ってみる事にした。お日さま園、いつもどんな感じなんだろう。ヒロト君にはお姉さんも居るって聞いたけど、今日は居るのかな。
『こんにちは』
「瑠璃、ようこそ、お日さま園へ」
門を潜ると比較的大きな施設が待ち構えていた。中からは楽しそうな声が聞こえてくる。鬼ごっこでもしているのだろうか。
『ヒロト君がいつも生活してる所ってこんな感じなんだね』
「ああ、凄く大好きな場所なんだ」
『私、皆を見てみたいんだけど、良いかな』
「勿論、こっちだよ」
案内されて付いていくと、可愛らしい子供達が元気に駆け回っていた。私が入ってきた事に気がついたのか、一斉に私達の所に駆け寄ってきた。
「お姉ちゃん誰ー!」
「ヒロト兄ちゃんのカノジョー!」
「駄目だよ皆、誰か来てくれたらまずは?」
「あいさつー!」
「そうだよ。皆、せーの」
「「こんにちはー!」」
元気の良い挨拶に多少びっくりしつつ、私も負けじと大きな声で返す事にした。
『こんにちは!』
「お姉ちゃん、名前は?」
『私、天晶 瑠璃って言うの』
「瑠璃姉ちゃん!」
可愛いなぁ。皆純粋で、それでいて活発で、私も若い頃はそんな感じだったのかなぁ。
「お姉ちゃん遊ぼ!」
『良いよぉ』
子供達に連れられるままに、おままごとや鬼ごっこ、その他諸々を遊び尽くした。妹と弟が居るから、子供の世話は慣れている。というか、ヒロト君そっちのけで遊んじゃったんだけど…。
「あれ、君がもしかして…」
『何か見たことあるような…?』
「俺、緑川リュウジ。レーゼって言ったら分かる?」
『あぁ〜。抹茶ソフトクリームヘアーの⁉︎』
「皆気を遣って言わなかったのに、初めて言われたよ、それ」
『え、違うの?』
「いや違わないけど…」
『多分ヒロト君から聞いてると思うけど、天晶 瑠璃だよ』
「そうだろうな、とは思ったけど、まさかここまでとは…」
『え?』
何か変な事言ったかな…?まぁでも、皆にも良くぶっ飛んでるとは言われるから気にしない。
『緑川君も明電高校だったよね?何組だっけ?』
「俺は一組。天晶さんは七組だよね?」
『そうそう。それにしても、緑川君の他にもこの子達の面倒見てる人沢山いるんだね』
「ああ…それは…」
「瑠璃」
「ごめん、俺はこれで」
ヒロト君に引っ張られて別の部屋まで来た。