第26章 Lay! 〈朝日奈 乃愛〉
ーー翌日
パッと目を覚ますと、急に身体の怠さを感じた。対抗して身体を起こそうとするけれど、辛いし目眩もする。
「お姉ちゃん、おはよう」
『おはよう夕香ちゃん。今から朝御飯用意するね』
「うん!お姉ちゃん、顔赤いけど…大丈夫?」
『大丈夫大丈夫』
やる事はやって寝よう。最悪だ、テスト近いのに、此処でこんなボロが来るなんて。夕香ちゃんの分の朝御飯を作った。修也はいつも朝は寝てるから、ご飯は作らない。昼前に起きてくるから、その時に一緒に食べるのが普通。
「あのね、夕香もう出なきゃいけないんだ。午前中は公園で遊ぶの!」
『お昼ご飯は?』
「撫子ちゃんと一緒に作る約束してるの!」
『そっか。気を付けてね。あ、お菓子持ってくの忘れないで』
「分かった!」
朝食を食べ終わった後、夕香ちゃんはお遊び用の鞄を持って、玄関に向かっていった。
『いい?車とか信号には気を付けてね。信号が青になっても車来てないかちゃんと確認するんだよ?』
「うん!四時には撫子ちゃんのお家出るから…。四時半前にはお家に着くと思う!」
『はーい、気を付けてね』
夕香ちゃんが出た後、食器を洗って、部屋に行く事にした。勉強しないといけないから、いつも通り勉強道具を取り出した。勉強してても時々視界にボヤがかかって、何回か目を擦った。
ガチャリ
修也が起きたのかな。隣の部屋の扉が開く音がした。珍しいな。いつもはこんなに早く起きないのに。すると後ろのドアが開いた音がした。
「乃愛…?」
眠そうに目を擦りながら部屋に入ってくる。なんか、エロい…。
『おはよう、修也。ご飯作る?』
「ん?…あぁ…」
そんなに眠いなら無理に起きてこなくても良いのに。恐らくまだ覚醒していない内に無意識に部屋に来たのか、立ったまままた寝てる。いつもはワックスで上げてる髪も、寝起きは下に垂れてるからなんか可愛い。
『しゅーやぁ…』
本当に寝てるな、此奴…。本当に無意識だったら怖いけど…何しに来たんだろう。というか、立ったままよく寝れるなぁ。
『ご飯食べないの?』
「食べる…」
若干目を開いて、眠そうに台所へ移動する。私も移動しようと思った時に強い眩暈がした。
『あ…れ…?』
「乃愛!」
修也の声が聞こえる。ちゃんと立てない。歩こうとしても、足が自由に動かなくてもたつく。ああ…倒れる、と思った瞬間に意識が消えた。