第23章 Girls! 〈女子組〉
豪炎寺君めっちゃキス魔にしか聞こえないんだけど。というか案外むっつりスケベな感じする。
「で?」
「も、もう勘弁…!」
「よろしい」
『でも、瑠璃ちゃんの話あんまり聞いてないような』
「星羅ナイス…!」
「ちょ、星羅ちゃん⁉︎それは言わない約束!」
「よっしゃ、言ったれ、瑠璃」
「えっと…観覧車の中で凄いキスラッシュがあって…」
『続きは…?』
「ヒロト君が退院してから、その日の内になんかいっぱいキスして…」
なんか基山君はあんまりがっつかなさそう。あくまで爽やか。でも瑠璃ちゃんに誘惑されたら多分一気に理性崩壊する。
「ラブラブしてるじゃん」
三人の恋バナが終わったところでサンドイッチが運ばれてくる。いや、心臓に悪い…。皆ロマンチック過ぎる…。
「でも、私達のここまで聞いたんなら、星羅ちゃんも次遊ぶ時までには…ね?」
「そうそう。いやまじで、大事だよ」
『そ、そう…だよね』
サンドイッチを頬張りながら、考えていた。確かに、甘い雰囲気になった事ない…。
「鬼道君でも案外、ツンデレ形質ありそう」
「プライド気にしてそう」
『実際そうかも』
「まずはそのプライド崩さないとなぁ」
『うーん、難しそうだけど…』
「そうだ、自然に誘惑してみるのは?」
「ありかも、いかにも天然風を装って甘えてみる、とか」
『私そんな演技派じゃないよ』
「確かに」
うーん、結局私が頑張ってゴリ押しに持ち込むしか無いんじゃ…。
『やっぱりゴリ押しかなぁ…』
「一回やってみよ」
「結果次第だよね」
『一回やった事あるんだけど…』
「あ、海の時?」
『うん』
「で、どうだったの?」
『背中に日焼け止め塗ってって頼んだんだけど、最初は拒否して、どうしてもダメ?ってゴリ押ししたら渋々…』
「いややっぱゴリ押ししかないかなぁ」
「ぽいね」
「というか、鬼道君から甘い雰囲気作るの苦手そう」
『あ…』
確かにそうだ。有人君で甘い雰囲気作れそうな気がしない。案外ヘタレ…?
「結構ヘタレやん」
『それは私も思った』
「彼女公認のヘタレじゃん!」
だって告白する前もかなり話し込んでイケるムード作ってから告白してたしなぁ…。
「でも、中身絶対星羅の事しか考えてないよ」
「頭の中星羅ちゃんで埋め尽くされてそう」
『そう?』
「多分大事にしたいが故に手を出せないと思うんだよね」
「そんな感じするわ」