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Break! 【イナズマイレブン】

第22章 Stick! 〈天晶 瑠璃〉


橋本君は何も言わずにただひたすらにコクコクと首を縦に振っていた。こんな事流されちゃ一溜まりもない。学校に居場所がなくなる…。今日はもう何も考えずに帰る事にした。いつも学校で勉強してヒロト君を待ってるんだけど、今日は顔を合わせたく無かった。だって、疲れてる原因が私なら、ヒロト君は私に会わない方が得策だ。

「あれ?瑠璃ちゃんじゃん。今日は一人なの?」
『あーうん。そうだよ?』
「彼氏は?」

同じクラスの男の子に一番痛い所突かれて少し戸惑った。

『私今日用事あるから、先帰るんだ』
「なら、俺も一緒に帰って良い?」
『良いけど…多分お家の方向違うんじゃない?』
「いや、まぁ違っても戻れば良いし」
『え…悪いよ。私大丈夫だし…』
「まぁまぁ、細かい事は気にしないのが一番だから!行こうか!」

なんか凄くグイグイくるなぁ。この人こんな感じだったっけ?

「てか、サッカー部のマネージャー辞めたの?」
『うん、私バレエやりたかったから』
「なんだ。彼氏と別れたからだと…」
『違うよ。もともと、バレエが出来るようになったらマネージャー辞めるつもりだったから』
「へぇ…でも、やっぱ彼氏となんかあったっしょ?」
『…どうして?』
「俺、見てたんだよね。さっきの」
『この事、他言無用だから』

もう一度威圧かけてみようと必死になるけど、こういう系の男子には効かないのか、余裕綽々な顔をしている。

「もしも言ったら…?」
『潰す』
「おお怖。こんなひ弱な腕で?」

いきなり腕を握られたかと思うと、強く握られる。何がしたいの、この人。

『離して』
「なら俺と付き合ってよ。彼奴、もう好きじゃ無いんだろ?」

一瞬頭が真っ白になる。ヒロト君はもう私の事を好きじゃない…?そっか…だからはっきり言えなかったんだね、あの女の子に付き合ってるって。

「ほら、考えてる」
『違う…!』
「返事しないと、いつまでも離さないよ?」
『私は、貴方とは付き合えない。だって私が貴方を好きじゃ無いから』
「なら、明日広めてあげるよ。今日の事」
『…!』
「どう?その気になった?」
『分かった、分かったから離して…!』

私だけ何か言われるのなら別に良いけど、ヒロト君が何か言われるのは嫌だ…!

「明日から宜しくね?瑠璃チャン?」
『…っ!』

腕を掴んだ手を離して帰っていった。最悪…こんな事になるなんて…。
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