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Break! 【イナズマイレブン】

第21章 Sink! 〈綾織 星羅〉


すると、いきなり携帯が振動した。ラインが来ている。

〈スタジアム裏の公園に来てくれ〉

スタジアムの裏の公園はそれほど遠くない。

「星羅、帰ろ」
『私、有人君に用事あるから、先に帰ってて?』
「分かった。じゃあ、また明日ね」
『うん』

帰りも乃愛ちゃん達の手を握って階段を降りた。出口から公園は遠くない。有人君なりの配慮があったんだと思う。公園に向かうとユニフォーム姿のまま、一人で後ろ向きに立っていた。

『有人君、ごめんね。遅くなっちゃった』
「いや、俺が呼んだ方だから、気にしなくて良い」
『今日の試合ね、有人君凄くカッコ良かったよ』
「お前の声が聞こえた」
『乃愛ちゃんと瑠璃ちゃんと三人で頑張って応援してたよ。明電高校が勝ちますようにって』
「お前のお陰だ。俺が頑張れたのは」
『あ、ありがとう…』

暫くの沈黙が過ぎていった。何か、深刻な事言われるのかな…。一応心の準備はしてある。

「この前、伝えたい事がある、と言ってたのは覚えているか」

先に沈黙を破ったのは有人君だった。ああ…どうしよう。

『うん、覚えてるよ』
「その事について、なんだが…」
『…うん』
「俺は、お前の事が…」
「おーい!きどっ…ふぐっ…むぐぐ…!」

円堂君の声が聞こえた瞬間に、誰かが空気を読んで口を塞いでくれたみたいだ。というか夏未の声が聞こえたから恐らく夏未なんだろうけど。

『あははっ…流石円堂君だね。ブレないって言うか』
「中学の時から変わらないからな」
『私、中学の時の有人君ちゃんと見ていれば良かったなって最近思うの』
「?」
『この前、春奈ちゃんが病室に来てくれて』
「春奈が?」
『うん、有人君との関係を教えてくれてね』
「それを今日話す予定だったんだが…先を越されたみたいだな」
『春奈ちゃんによると、私を婚約で縛り付けるのが勿体ないって言ってくれてたみたいだけど、私の方が罪悪感強いんだよ?だって、こんな素敵な人が私みたいな可愛くもなければ、皆に迷惑かけちゃうような人が奥さんになるなんて』
「俺は、お前が好きだ。勿論異性として。だから、自分自身をそんな風に言うな」
『…!本当、なの…?』
「ああ。本当はこれが言いたかった」

凄く深刻な話されるって思ったら、この話だった…。びっくりした。私も、有人君の事好きだったから。

『私も、有人君の事、好きなの』
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