• テキストサイズ

Break! 【イナズマイレブン】

第21章 Sink! 〈綾織 星羅〉


優しく有人君が微笑んで布団を首元まで掛けてくれた。

「おやすみ、星羅」

その言葉と共に瞼を閉じた。

ーー三週間後
「やっと退院だな」
『結局全国大会当日になっちゃったね…。ちゃんと見に行くから』
「無理はしないでくれ」
『うん』

一度家に戻ってきてから、有人君のお父さんに挨拶した。凄く心配されたけど、有人を応援してやってくれ、と快く応援に行かせてくれた。

「星羅」
『乃愛ちゃん、それに瑠璃ちゃんも』
「今日は鬼道君の代わりに私達が側についてるから、一緒に応援しよう」
『うん、ありがとう』

バスを乗り継いで全国大会の会場に向かった。全国大会で優勝したら伝えたい事があるって言ってたけど、何なんだろう?

「星羅、ここ座りな」
『ありがとう』
「退院しても、やっぱりまだ元どおり歩ける訳じゃないでしょ?」
『うん、まだゆっくり歩くのが限界で』
「無理しちゃ駄目だかんね。あ、次じゃない?降りるの」

ボタンを押して、次のバス停で降りた。やっぱり全国大会なだけあって凄く盛り上がっている。

「良し、行こう。星羅、私達の手握ってて良いよ」
『ありがとう』

右手に乃愛ちゃん、左手に瑠璃ちゃんの手を握りながら階段を登って観戦席に着いた。両チーム試合準備は万全だ。頑張れ…明電高校!

相手校のキックオフから始まり、有人君がカットしてそのまま攻め上がった。横にいた豪炎寺君にパスを出して、豪炎寺君が爆熱スクリューを放つ。

ピピー!

まずは一点!凄く白熱した試合だ。攻めてはカットしてという何ともハラハラした試合。試合状況は今は一点押されてる。

『有人君…!』
「めいでーん!がんばー!」

乃愛ちゃんの声が響く。そうだよ!私も応援しなきゃ!

『めいでーん!頑張れー!』

届いただろうか。他の人の声に掻き消されてしまっているかもしれない。でも、届いて欲しかった。私達の声が力になったのか一気に攻め上がって一点を決めた。

『やった!』

その後もなんだか調子が出てきたのか次々と得点を決めていく。そして遂に試合終了のホイッスルが会場に鳴り響いた。

「やった…」
「やったよ!星羅ちゃん!」
『うん…!』

首に掛けていたタオルを握り締めながら歓喜した。良かった…!勝った!でも…有人君の口から何を言われるんだろう…。婚約者をやめて欲しいとか…?勝ったのに…怖いよ…。
/ 425ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp