第3章 Burn! 〈朝日奈 乃愛〉
ーー次の日の午後
「これから新入生歓迎会だね」
『あ、そっか。体育館集合だっけ?』
「ううん。今日は皆で並んで行くらしいよ」
『うわっ…まじか。教えてくれてありがとう、瑠璃!星羅!そろそろ行かないと』
「うん。また放課後ね」
急いで星羅の教室から飛び出し、並んでいた列の間に入った。
「やっときたね」
『ごめんごめん。友達と話してたら遅くなっちゃった!』
「そうなんだね」
『君は…亜風炉 照美君?だっけ』
「合っているよ。ぜひアフロディと呼んでくれ」
『分かった!アフロディ!また座った時にでも話そうよ』
「勿論さ」
というか、星羅の友達の鬼道君と言い、後ろのアフロディと言い、校則大丈夫なの?アフロディは赤目はコンタクト入れてる感じは無かったから良いけど、金髪って…。
「君は随分とフレンドリーなんだね」
席に着いた途端、アフロディが話しかけてきた。
『うん。だってせっかく何かの縁で一年間一緒にいるわけだから、話さないの勿体無いし』
「確かにそうだね」
『そういえば、ずっと聞きたかったんだけど、その金髪って地毛?』
「まぁ、そうでなければ校則違反だからね」
『やっぱり?』
「これでも一応生まれは韓国だよ」
『え、そうなの?』
「ああ。びっくりしたかい」
『そりゃ勿論』
韓国出身だなんて驚いたな。全然そんな風に見えないから。
「これより新入生歓迎会を始めます」
『あ、始まったね』
「ああ」
開式の言葉があって、校長先生の話を右から左へと流す。すると直ぐに部活動紹介が始まる。少し準備があるらしい。
「君は何部に入るんだい?」
『うーん、私は軽音楽部で歌ってみたいな。中学に無い部活だから入ってみたいんだ。アフロディは?』
「僕はそうだな…サッカーを続けたいかな」
『あ、世宇子中だったのか』
「そうだよ」
『お互い大変だったね。影山の事で色々あって』
「今はもう大丈夫だよ。それにもう神のアクアには頼らないって決めたんだ」
『そう決めてるならアフロディはきっともっと上手くなるよ!』
神のアクア事件も知ってる。影山が開発させた魔のドリンク。人はそういうやつに頼ったら決して前には進めないって事を雷門サッカー部によって思い知らされた。
「ありがとう。君の歌も一度聞いてみたいものだよ」
『そんな良いものでもないと思うけどなぁ』
「そんな事はないさ」