第17章 Bleed! 〈朝日奈 乃愛〉
「そうなんだ…」
『でも、夕香ちゃんならきっと大丈夫だよ。自分信じて頑張って。あ、そろそろ夕飯の準備しようか』
「今日は何作ってくれるの⁉︎」
『今日はハンバーグ作ろうと思うんだけど、どうかな』
「夕香、ハンバーグ大好き!夕香もお手伝いする!」
『宿題終わったの?』
「うん!荷物置いてくる!」
トタトタと部屋に戻っていった。その間に私は手を洗って材料を取り出した。
「夕香、何したら良い?」
『そうだなぁ。私がボウルの中に材料入れてくから、夕香ちゃんは溢れないように混ぜてほしいな』
「分かった!」
合挽肉や卵、その他諸々の材料を入れて夕香ちゃんに混ぜてもらった。後は二人で形を作ってフライパンで焼いていく。豪炎寺が帰ってくる頃にはハンバーグも焼けていい具合になっていた。
「ただいま」
『お帰り、豪炎寺』
「ハンバーグか?」
『正解。夕香ちゃんにも手伝ってもらったの』
「そうか。夕香、頑張ったな」
「うん!」
夕食も食べ終わって、夕香ちゃんと一緒にお風呂に入った。それから夕香ちゃんを寝かせてリビングに戻る。
「足は大丈夫か?」
『うん。歩けない事はないし、大丈夫』
「そうか」
『明日、取り敢えずダメ元で警察に行ってみようと思うの』
「なら、鬼瓦刑事の出番だな」
『ほんと、逮捕して欲しいんだけど。私が犠牲になるのは良いとして、あんな変態が他の人に何かする前に捕まえてほしい』
「…」
『ごめん、変な空気作っちゃった。明日は偶々部活休みだし、行ってこようかなって』
「一人で大丈夫なのか?」
『うん。まぁあんな証拠取られた後、何かしようとは思わないでしょ。撮った写真、送ってくれないかな』
「わかった」
どうか、逮捕してくれますように。私は良いけど、万が一他の人に被害が出たらと思うと申し訳なくなる。
『私、もう寝るよ。明日は朝ごはんちゃんと準備するね』
「ああ」
ーー翌日、放課後
今日はそのまま学校から警察に向かって、鬼瓦刑事を訪ねた。
「おお、今度はお前さんか。今度の作戦、お前達に任せちまって悪いな」
『いいえ、友達の為ならなんてことないです』
「それで、今日はどうした」
『すみません、ゆっくり話が出来る所ありませんか?』
「重要な話の様だな。付いてきな」
鬼瓦刑事に連れられてきたのは、前よりも若干狭い会議室のような所だった。ちゃんと、話さなきゃ。