第16章 Freeze! 〈天晶 瑠璃〉
『今日も送ってくれてありがとう、ヒロト君。明日はちゃんと休んでね』
「ありがとう」
それにしても、やっぱり大会だと気を張ってる所為か、結構疲れるものだな…。
「明日、電話するから」
『無理しなくても大丈夫だよ。明日は休むための休日なんだからしっかり休まないと。私は明日は文化祭の準備に行こうかなって思ってるんだけど』
「それじゃあ俺も行くよ。明日も迎えに行くけど、何時に行く?」
『午後からで良いかな。午前中寝てたいし』
「じゃあ午後に迎えに来るから」
『無理しなくても良いのに』
「俺が瑠璃に会いたいから」
『ばか。また明日ね!』
照れ隠しに急いで家の中に入った。付き合ってから、こういう発言が増えて困っています。心臓破裂しそうです。
「お帰り、お姉ちゃん」
『藍。ただいま。明日も出掛けるから、妹達をお願い』
「わかった。文化祭の準備?」
『そう。今年は公開文化祭なんだって。だから藍達も見に来てね』
「うん、皆連れて見に行くよ」
『ありがとう』
「瑠璃、今日は疲れたでしょう。早く休みなさい」
『はい』
お風呂に入って今日は寝る事にした。なんだか、気疲れしたような気がする。明日の朝はちょっと寝坊しても良いや。
ーー翌日
「お姉ちゃん、インターホン鳴ってるけど」
『ありがとう、藍。お姉ちゃん行ってくるからお願いね』
「友達?」
『ううん。彼氏』
「え⁉︎」
『それじゃあ、行ってくるから!』
驚いている藍の横を通り抜け玄関に向かう。玄関の扉を開けると昨日も見た赤色の髪。
「姉ちゃん!」
『琥珀』
「誰?」
『彼氏だよ』
「あ!あん時の兄ちゃん!」
「基山ヒロトって言うんだ。宜しく」
『それじゃあ、ヒロト君、行こうか』
「ああ」
『琥珀も、藍の言う事聞いてね』
「はーい!」
玄関の扉を閉めて、学校に向けて歩き出した。天気は晴れ。それでもってとても暑い。
「今日も暑いね」
『本当、溶けそう…』
「夏だからね」
『まぁでも、海にも行ったし、夏祭りもあるし、かなり充実した夏休みになりそう』
「夏といえばイベント目白押しだからね」
『夏祭りも、一緒に行こうね』
「もちろん」
夏祭りはお金使いすぎないように気を付けないと。今まで、弟達の為と言いつつ結構買いまくってたから、制限しないとなぁ。でも、食べたいもの沢山有るんだよね。ぶどう飴とか、りんご飴とか、いちご飴とか。