第15章 Dream! 〈綾織 星羅〉
「というかもうサッカーやった方が早いんじゃない?」
「私もそんな気がするよ」
『あはは…』
「やるか」
「だね」
「砂浜での特訓も悪くない」
やっぱり。でも、見てるのも楽しいし良いかなっては思う。乃愛ちゃんもやれやれって顔してる。
「よし、やるぞ」
「まずは俺と鬼道君で。先に一点入れた方が勝ち、最長でも十分。良いかな」
「構わない」
「あーあ、始まっちゃったか」
「まぁいいんじゃないかな」
『見守ろうよ』
流石ハイレベルvsハイレベルでボールの奪い合いが止まらない。でも、凄く楽しそうだ。やってる事は部活と変わらないかもしれないけど、笑顔がキラキラしている。
「しっかし、本当にサッカー好きだよね」
「楽しそう」
『本当、部活の時とは違う顔してる』
「十分経ったぞ」
「じゃあ次は俺と豪炎寺君だね」
凄いな。十分も運動してるのにまだ体力あるなんて。
『お疲れ様、有人君』
「ああ、やはり砂浜でやると違うな」
『部活の時とは顔違ってたもん』
「砂浜でサッカーをするのは二回目なんだ」
『一回目は?』
「沖縄に豪炎寺を探しに行った時にな」
『奈良で、抜けたんだよね』
「ああ。でも、彼奴も俺達も諦めなかった。それが今の結果だ」
中学の時から既に強い信頼関係と絆があったんだ。そんな人とサッカーできるのがきっと楽しいんだろうな。
「そういえば、フットボールフロンティアハイスクールも来週に迫ったな」
『そうだね。でも有人君達なら絶対勝てる。一杯練習してきたんだもん』
「フットボールフロンティアハイスクール全国大会で優勝したら聞いて欲しい事があるんだ」
『うん、わかった』
「おい鬼道!やるぞ!」
「ああ!行ってくる」
『行ってらっしゃい』
聞いて欲しい事、何だろうな。でも、きっと優勝したらって事は相当大事な事なんだろうな。
「皆元気だねぇ」
「瑠璃、おばあちゃんになってるから」
『あはは、でも来てよかった』
「星羅がそう言うなら大成功って事で」
『瑠璃ちゃん、ヒロト君の所行かないの?』
「うーん…どうしようかな」
「行ってきなよ。彼氏が待ってるって」
「うん、じゃあ行ってくるね」
瑠璃ちゃんが一番最初にゴールインだもんなぁ…。今でも凄いラブラブだし。
『乃愛ちゃん、あの人、もう大丈夫?』
「うん。警察に念の為って持ってったら捕まえてくれてさ。助かったよ」