第1章 始まりは突然に・・〈一松〉
「こっち来いよ、」
『いや、やめてっ。お願い、真。』
「オマエが大人しくしてれば、痛いことはしねぇよ。」
真に腕を引っ張られ、そのままソファーに押し倒される。
・・・怖い、このまま乱暴されて私はまた抱かれてしまうの?
「なにその目。生意気。」
そう言って真は私の頬をビンタした。あぁもう逃げられない。私は抵抗するのを諦めた。
無理矢理服を脱がされ、独りよがりのキスと愛撫がはじまった。
「はぁっ、オマエ、まじで可愛いよ?」
『んっ、・・・んっ、』
「気持ちいいんだろ?可愛い声聞かせてよ?」
下着の上から胸を揉まれたり、首周りを舐め回されたり、啄むようなキスをされたり、そのどれもが気持ち悪くて吐き気さえ感じていた。
その時だった。
ゴォーーーンと大きい音と共に、真が床に倒れ込んだのだ。
『えっ、真?』
身体を起こすと、目の前には息を切らした一松くんがフライパンを持って立っていた。
「・・・まじで、あんた何やってんの?もう最悪だよ。アホなの?アホすぎて・・・心配になる。」
そのまま近付いてきた一松くんは私をギュッと抱きしめた。一松くんに頭を撫でられると安心して涙が流れてきた。
『・・・一松くん、怖かったよー。』
「ったく。・・・ビービー泣くなよ。めんどくせぇ。それより、服着てくんないかな?オレ童貞だから刺激強すぎる。眩しい。」