第6章 恋の歯車、回り始めました〈カラ松〉
『・・・っあ、・・・も、ダメっ・・・、んあっ、あぁぁんっ』
「・・・くっ、・・・オレもだっ・・・」
『あっ・・・・やぁぁぁんっ、・・・・んあっ・・イくっ、イく、』
「・・・イきそうだっ・・・っ、」
『んぁっ、カ、カラ松くんっ・・・あぁぁっ、イっちゃうっ!やあぁぁぁぁんっ!』
オレの律動に合わせて、最後に最奥まで突くと花子は一際大きな声を嬌声を上げて果てた。カラ松のカラ松も限界に達し、白い欲望を花子のお腹に余すことなく吐き出した。
「・・・大丈夫か?」
『ん、大・・・丈夫っ、』
なんて息もたえたえ言う花子の姿はとても大丈夫そうには見えなかったが、その姿にさえも身体の中心部分は簡単に熱帯びてしまう。
花子のおでこにへばりついた前髪を梳き、そっと触れるだけのキスを落とす。
「すごく可愛いよ。花子。」
それだけで花子は耳まで真赤に染め上げて、あからさまに目を泳がして照れるもんだから、ついつい意地悪をしたくなってしまう。
事後の処理を終えて、息を整えバスローブだけを羽織り、大きなベッドに2人で寝そべる。花子はオレの腕の中で今にも眠ってしまいそうな顔で、カラ松くんと名前を呼びながらまるで猫のように肌を擦り寄せる。
こんなことをされたら、オトコは誰だって勘違いするだろう。オレに気があるんじゃなかろうか、と。無論オレもその中の一人なわけで。他の兄弟にもこんな顔を見せてるんじゃないかと思うと、気が気ではない。
「なぁ花子。」
『ん?』
「順番が逆になってしまったんだが・・・オレと付き合わないか?」
『・・・っ、』
トロンとしていた目が大きく見開かれる。
分かってる、花子が好きなのはオレじゃなくて一松だということを。分かっているけれど、もうあの時のオレとは違う。黙って一松に譲れやしないし、一松よりもオレが幸せにしてやれる自信だってある。
しかしその瞳が動揺したように揺れると、数秒前のその自信が消えそうになる。
「返事は今じゃなくていい。いつでも待つさ。考えみてくれ。」
そう言うと花子はありがとうと、可愛く笑った。
(「へぇ〜。クソ松と朝帰りか。」)