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オマエはおれ(ら?)のモノ【おそ松さん】

第6章 恋の歯車、回り始めました〈カラ松〉





『すーっごい楽しかったー!』



そう言いブランコに腰掛ける花子の機嫌は、いつの間にかいつも通りに戻っていた。青色だった空が丁度オレンジ色へと変わり始めた。


隣町へ出向きパンケーキを仲良く半分こして食したあとは、近くにあったショッピングモールで買い物をした。


花子が欲しそうに見ていたピアスは多少高かったが、奮発してプレゼントした。遠慮ばかりする彼女に理由を求められ、“オレがあげたピアスをつけた花子が見てみたい”とは到底言えず、“いつものお礼だ”とウソをついた。


そんなこんなで、赤塚に戻ってきたオレたちは家に帰る前になんとなく公園へと足を踏み入れた。





『流石トド松くんの情報なだけあってパンケーキも美味しかったし、』


「あぁ、最高に美味しかったな。」


『お買い物もできたし、良い休みになったよ。』



カラ松くんのおかげだね、なんて笑う彼女の姿を見たら日頃の疲れも一気にふっ飛んでしまう。それほどまでに花子の笑顔は可愛くて破壊力がある。


それに加えて今の花子の耳元には、キラキラと光るピアスが揺れていて、無理して買って良かったなと心底思った。


地面から足は離れることなく、ブランコをユラユラと前後にゆっくり揺らしながらニコニコとしていた花子はどこか遠くの方を見ていた。




「・・・ん?どうしたんだ?」


『カラ松くんとこうやってブランコ乗りながら話すの、あの日と同じだなぁって思って。・・・あ、もう覚えてない?』



花子の言う“あの日”とは、アメリカへ引越す前日のことだろう。もちろん覚えている。



「忘れられる訳ないだろう。案外こう見えてもオレは一途なんだぞ。」


『・・・どうだか。』



オレの発言に花子は冗談は辞めてよと言わんばかりにクスっと笑った。



「“あの日”も夕焼けがキレイだっただろう?花子こそ忘れてるんじゃないか?」


『まさか、ちゃんと覚えてるよ。』


「・・・どうだか。」



なんて目を閉じれば、“あの日”の記憶があっという間に蘇ってくる。


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