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オマエはおれ(ら?)のモノ【おそ松さん】

第5章 シコ松のシコ〈チョロ松〉






「いや、えっと、これはね、そのね、なんていうか、あれ、違うんだぁぁぁぁっ!!」



なんだか夢の中で花子ちゃんと甘く囁くように名前を呼ばれた気がした。


・・・一松くん?
いや一松くんは花子ちゃんと私を呼ばない。でも愛でるような呼び方がなんとなく一松くんと似ていた。一体そこにいるのは誰?


重たい瞼をやっとの思いで開けてみると、目の前にはチョロ松くんが立っていた。


ただ立っているだけなら何の問題もなかったのだが、何やら一人でお楽しみ中だったようだ。絵に書いたように慌てふためくチョロ松くんは両手で局部を覆う。


部屋の中はほんのりとオトコの匂いが充満していた。




「・・・ごめんなさい!」


『うわ、ちょちょ、やめて。顔上げて。』



なぜかチョロ松くんは来ていたチェックのシャツも脱ぎ捨て、全裸で床に這った。


まだ熱がある身体に鞭を打ち、起き上がる。




『私、リビング行くから。どうぞ続けて。』


「・・・・・。」


『大丈夫。誰にも言わないよ。』



黙りこくるチョロ松くんは耳まで真赤にしていて、きっと恥ずかしかったに違いないが、私だってできればこんなところは見たくなかった。ここはこのまま部屋を出るのが得策か。そんなことを考えながら少しふらつく足でドアノブに手をかけたときだった。



「待って!」



チョロ松くんの大きな声が私を呼び止める。
少し萎えた彼の可愛いイチモツを片手で隠しながら、モジモジと頭をさげる。



「あの、その、お願い・・・があるんだけど、」


『うん。』


「嫌だったら断ってくれて構わないから。なんだったら殺してくれてもいい。いや、むしろ殺して。」



急に一松くんみたいなことを言い出すチョロ松くんが少し面白くてクスっと思わず吹き出してしまった。



『なぁに?』


「見てるだけでいいんだ。」


『ん?何を?』


「・・・見てるだけでいいんだ、シコ松を見てるだけで。」


『・・・・・。』




バカみたいなことをバカみたいに澄んだ目で言い放つチョロ松くんに、返す言葉が見つからず私は言葉につまってしまった。


チョロ松くんのゴクリと唾を飲む音だけが部屋に響き渡った。



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