第1章 始まりは突然に・・〈一松〉
『いち・・・まつ、・・くん?』
「・・・花子、オマエが悪いんだからな。」
『へ?』
・・・おれ、何しようとしてる?
気付いたときにはベットの上で花子に馬乗りになっていた。
花子の両腕を抑えつけて、身動きが取れないよう拘束する。
・・・あぁおれ、今からコイツ犯すんだ。
可哀想、ただでさえ傷ついてるのに、こんなゴミでクズなおれにレイプ紛いなことされて、
・・・ああ、ご愁傷さま。
でも、あの時。
おれが帰るって言ったあの時、引き止めたオマエが悪いよ、全面的に。
薄暗い部屋のなかでも、花子の瞳がウルウルしているのも分かったし、カタカタと少し身体が震えているのも分かった。
「・・・そういうの、逆にそそられるんだけど、分かってやってんの?」
『ちがう・・・。』
「・・・ねぇ、あんた今から何されるか分かってんの?」
『ん、分かってる・・・と思う。』
思うって、なんだよ。
あぁ、アホくさ。オマエ男怖いんじゃないの?
だから震えてるわけでしょ?
今からおれに犯されんだよ?怖いんでしょ?
だから泣いてるわけでしょ?
・・・なのに、なのになんでだよ。
「・・・頼むから、もっとおれを拒絶してくれ」
『・・・・・。』
「・・じゃないと、本当に、・・・襲う。」
『・・・いいよ。』
「は?」
『・・・一松くんなら、いいよっ・・・んっ、』
花子が言い終わるか終わらないかのタイミングでおれはもう一度、今度は深くて長いキスをした。
『んっ・・・はぁっ・・・んっ、』
もちろん、こんなキスをするのも初めてなおれはもう訳分かんなくって、ただただ花子の口の中をベロベロと舐め回すことしかできなかった。
必死についてくる花子のそれが可愛くて、愛おしくて、いつの間にか拘束していたはずの手を花子の両頬に添えてひたすらお互いの息が続くまでその行為は続いていた。