第1章 始まりは突然に・・〈一松〉
『んっ、・・・そこ、んはぁ、いやっ、』
花子の服の中に手をつっこみ、ブラの上から小さい胸を鷲掴みにする。
もちろん、女の胸を触るのだって初めてだし、そのやり方だって分からない。AVのように上手くはできない。
「おれ、童貞だからさ、教えてよ?」
『へ?』
「だから、どうされたいか。教えて?」
顔を赤らめて花子は困り顔。
手順も分からないまま、邪魔な部屋着を脱がし、花子を下着姿にしておれは思い知るのだった。ゴミ以下の野郎が花子に残した傷の深さを。
「オマエ、それ・・・・・、」
『・・汚いでしょ?』
花子は悲しそうに笑っていた。
そう、花子の身体は全身痣だらけのキスマークだらけだったのだ。
さっきリビングで抱きしめたときは、花子の裸が眩しすぎて分からなかったが、お腹周りや胸周りがこんなに酷くなっているなんておれは全く気付かなかった。
あのゴミ以下の野郎を殺せば良かった、フライパンなんかじゃなく、包丁で心臓をぶっ刺せば良かった。
おれは花子の身体を起こして、優しく抱きしめた。壊れないように、これ以上傷つかないように優しく抱きしめて、頭を撫でた。
「・・汚くなんかない。」
『・・・一松くん?』
「すっげぇ、可愛いよ。昔から、ずっと。」
『・・・・・。』
今しがた強引にエロいことしようとしてたくせにおかしな話だけど、説得力なんて全くないかもしれないけど、おれは思ったんだ。
「もっと、自分大切にしなよ。」
って。