第2章 水の呼吸 【冨岡義勇物語】
「美味しいね!冨岡さん!」
「あぁ、お前が美味しく食べてると俺も嬉しいな。」
「私も冨岡さんと食べると美味しいです!」
「そうか。」
そう言うと冨岡さんは
私の顔に手を差し伸べて来た。
「え?どうし…たん」
私の顎付近に触り拭った。
「クス…顎にまで付けて、いい食べっぷりだな。」
どうやらご飯粒が着いていたようだ。
そのまま食べてしまった。
「悪くない。」
そのご飯粒を食べる姿と
恥ずかしさとで
私は顔が真っ赤になり
口がパクパクしていた。
「あ、あの。すみません…」
「可愛げがあっていいんじゃないんか?」
「か、可愛げ!?」
「あぁ。俺はいいと思う。」
「…ありがとうございます。」
それから、ドキドキ心拍数が上がったまま鮭大根を食べ終え、
帰ることになった。
「…今日はありがとうございました。鮭大根美味しかったですね。」
「あぁ、また、行こう。」
(冨岡さんから「また」という言葉が出てくるなんて…)
「はい!!稽古も今度はお願いします。」
「頼む。」
そう一言言うと
【ジャリ…ジャリ…⠀】
冨岡さんが近づいてきて、
私は何を言われるのか分からないドキドキ感で固まってしまった。
と、いうか冨岡さんの一つ一つの動作が
美しすぎて見とれていた。
【スッ…ポンポン】
気づけばまたまた冨岡さんの手は
頭の上におかれていた。
「今日は楽しかった。ありがとう。またな。」
凄く顔が近い…
「は、はい!私も楽しかったです。」
それから、冨岡さんは帰っていった。
冨岡さんがいなくなるまで
私は入口で固まったままであった。
ま、さか
今のって
頭ポンポン?!!?
そのまま私は悶絶して
しゃがみこんでしまった。
落ち着くまで
私は部屋に帰れなかったのである。
今度の稽古まで心臓が持つだろうか…
稽古場でまた悶絶するのは
また別の話♪