第2章 水の呼吸 【冨岡義勇物語】
冨岡義勇編 番外編♪
「あら、冨岡さん。どうしたんですか?そんな緩みきった顔をして。」
風華と鮭大根の話をして
自室に帰っていると
話しかけてきたのは
蟲柱 胡蝶しのぶ
(そんな顔をしていただろうか?)
自分でも分からないまま
「特に何もない。」
「何も無いわけないでしょう?貴方がそんな顔するなんて雪さん以外滅多にありませんから。」
「そうなのか?」
「気づいてないんですか?まったく…これは長くかかりそうですね。雪さんが、可哀想。」
「どういうことだ?」
そう言うと胡蝶は大きくため息をついて
(雪さんの為に人肌脱ぎましょうかね。)
「男は全く鈍感ですね。そんなんだから皆さんに嫌われてるんですよ。そのままだと雪さんにも逃げられますよ。」
「風華に逃げられる?俺は掴まられる。」
「私は掴まえる捕まえないの速さの話をしてるのではありません。ハァ………。人から好意が向けられていることにも気づかないか鈍感さんは柱としても人間としても成長しません。ご自分の気持ちに正直になって雪さんの気持ちに答えて女性を誘わないと行けませんよ。」
「好意…か…あのモヤモヤした気持ちは好意だったのか…」
この人の鈍感さにはビックリさせられる。
折角、両想いなのに…。
ここまでハッキリ言ってやらないと
気づかないなんて。
「すまない。礼を言う胡蝶。勉強になる。」
そう言うと冨岡さんは踵を返してどこかいってしまった。
「上手くいくといいですね。雪さん。」
フワッと蝶が舞う様に羽織を返して
廊下の暗闇に消えていった。
「風華が俺に好意を…」
(フッ…)
冨岡さんは微笑み、
今度一緒に稽古でも誘ってみようと
考えていた。
しのぶの助言し誘うはほんとに稽古で良かったのか冨岡さん。
分からないがそんな事でも喜んでいた
雪がいたのは本編で♪