第4章 貴方の日輪刀で…【宇髄天元編】
(ザシュッ!!!ズシッ!!!!)
黒い渦は
刃物ように
私の肌を切り裂く
身体が重い……
動かなくなりそう……
止まるな……技を出し続けて……
みんなを守るんだ……
私が好きな人を
私が愛した人を守るんだ……
天元様……
貴方は最初から私に話し掛けて来てくれました。
最初はほんとに妻が3人もいながら
話しかけて親しくするなんて
どういう神経してるんだとか思ってました。
でも、愛情を知らない私でも分かった。
貴方が向けていた
私に対する気持ちは
あれは……
「漆の型 雪風巻!!!!」
最後の技を繰り出すときには
身体は出血だらけで
脇腹はえぐれていた。
そのまま相手の鬼が
崩れていき同時に私も
崩れ落ちていこうとしていた。
時間が緩やかに感じられた。
終わった…
私が放った技は溶けてしまった。
恐らく後ろに作った盾も
もう崩れているだろう
天元様の顔をみたい…
私は倒れゆく自分の体が
地面に着くことを待っていた…