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雪恋の刃【鬼滅の刃短編集】

第4章 貴方の日輪刀で…【宇髄天元編】


「と、言うか、お前、その宇髄様っての辞めろ。天元でいい。」


「天元………………様」



「全く…お前も硬ぇやつだな…派手にいこうぜ!」



「私がそんなふうになると任務に支障が出ますので。」



「あーぁ!分かったよ。ただ、名前で呼べ!いいな!」


「かしこまりました。」


いっとき天元様は私を離してはくれなかった。


そろそろ閉店の時間になり、
ようやく離してくれると思った。



「では、天元様。そろそろ閉店の時間ゆえお引き取りくださいませ。」


【ギュッ】



「あの。聴こえてます?閉店なんです。帰ってください。」



離してくれる気配は無い。


私は抵抗するように
天元様の胸板を押しかえそうとするが…



「………たくない。」



「え?」



「離したくないって言ってんだよ…分かれよ。お前が好きなんだよ…。」


「だから!私はそんな事を言われても困りますって何度も!んっ………んんっ……。」


天元様からいきなり口付けされ
戸惑いついバタバタしてしまった。


「…っは。…ハァハァ。何をいきなりするかと…思えば…。びっくりさせないでください。」


「派手に責めないとお前気づかないからよ。」


「妻がいるのにこんな事はもう辞めてください。私はもう帰ります。」


「…わかったよ。とりあえず、情報は寄越せよ。妻には雪のことは伝えてある。何かあったらすぐ頼れ。」


「お気遣いありがとうございます。任務頑張ってください。」


「あぁ。お互い死なねぇようにしないとな。頼むから自分の身体は大事にしろよ。お前は俺の…」


「えぇ。では。」


そう言って天元様が話している最中に遮り踵を返して帰っていった。



「…全く、俺も大事なことちゃんと言えるようになれたらいいのにな…あれ、絶対気づいてねぇぞ。俺がからかってるとしか思ってねぇな。次あったら伝えねぇとな。」

宇髄は去ってゆく雪の後ろ姿をみて呟いた。


この後、何度も雪の所に通うつもりだったが任務で行けなくなってしまった。
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