第4章 貴方の日輪刀で…【宇髄天元編】
「久しぶりだな。雪よ。」
私が顔を上げると…
そこには音柱である宇髄天元様がいた。
変装はしているようだが
直ぐに分かった。
「なぜ貴方がここに…」
その言葉を聞くと
宇髄様は不思議な顔をして…
「何故って好きな女が働いている店に来て何が悪いんだ?」
「何をご冗談を言ってるのですか?そんなこと言う暇があれば任務に出て鬼の頸を切ってください。」
「相変わらず仕事好きだなぁー。」
と、会話をしてみるものの
中々先程から
寄りかかった体制のまま戻ろうとしても
背中に回った手が離れない。
「あの、宇髄様。手を離して頂けないでしょうか?」
「やーなこった。俺は客だぞ。誰が離すか。」
そう言うとさらに背中に回している手が更に強くなった。
「全く…3人も妻がいて良くもまぁこんな事が出来ますね…」
「別に女が何人いても俺は俺だ。惚れちまったんだからしょうがねぇだろ。」
「はぁー。まぁいいです。今はここで働いている身の上なのでお相手しますが、私は仕事でやってるのでお忘れなきよう。」
「はいはい。まぁ、俺も仕事で来たんだよ。」
「どういうことですか?」
「いや、ここの町は上弦の鬼が出入りしてるのを受けて、情報を聞き出すためにお前だけでは危険だからな、くノ一である俺の妻を引き入れた。」
「妻を?3人とも??」
何を言ってるのか分からなかった。
こんな危険な所に
自分の愛する人を連れてくるなんて。
「早くその3人を返してください。ここは危険です。
下手なことすると奴に取り込まれます。」
「取り込まれる?」
「そう。今回鬼は2体います。上弦です。
異能は取り込むことしかも、女だけを。」
「上弦が2体?しかも、女だけ取り込むとは……………
悪趣味な鬼だな」
「まるで宇髄様見たいですね。」
そう言うと宇髄様は物凄く嫌そうな顔をして
いたが直ぐに口を開いた。