第4章 貴方の日輪刀で…【宇髄天元編】
雪side
宇髄様はなぜ妻が3人もいながら
私に構うのだろうか…
分からない…
とりあえず今回の任務は
遊郭に乗り込むこと、
乗り込んで目指す所は
花魁の太夫の座
そこまで行かなければ
必要な情報は聞き出ない。
今回は長期化するかもな…
「はじめまして、雪と申します。今日からここで働かせて頂きたく思い参りました。」
私が身を置くことになったのは
【京極屋】
この辺一帯の遊郭で
人気な場所である。
特にここの1番トップである
「蕨姫 花魁」
美女との噂は聞くが
性格は最悪らしい…
せめて2番目くらいまでは
行かなくては…
それから3ヶ月間は
遊女の基本を全て叩き込まれた。
そして、
今日、遊女として初仕事である。
「頼むよ。お雪」
「はい。」
さて、どんなお客様が来るのかしら…
ある程度仕事がこなせるようになった
ある日
私に使命が入った。
最近は時折使命も入るようになっており
いい感じに溶け込めている。
そろそろ、動き始めなければ…
「失礼致します。お雪入ります。」
「あぁ。入れ。」
【スッー】
「お初にお目にかかります。お雪と申します。本日はご指名頂きありがとうございます。心を込めてつかわせて頂きます。」
「よろしく頼むぜ。お雪。早速だが、俺の近くに寄り酒を1杯貰えないか。」
「はい。」
【スッ…スッ…】
少しづつ着物を引きずりながら
男の近くに寄り、近くに用意されている
お酒を注ぎ、男に差し出した。
男は最初、
私の手を優しく掴み
少し自分に引っ張るようにして
私の身体に手を伸ばしてきたため
私は寄りかかる様な体制になりながら
男はお酒を飲んでいた。
私は、少し恥じらいながら
下を向くようにして
男の顔を見ていなかった。
すると…
「ほんと、お前はいつもいつもほんとに美しいな……これだから離れられん。」
と言って
私の下顎に手をかけて顔を持ち上げた。
そこで私は初めて
男の顔を見たのである。
「………………宇髄天元様………」