第4章 貴方の日輪刀で…【宇髄天元編】
如月
白い梅の花が咲く季節
その女は
白い雪に
白い梅の花に
白い肌に…
紅い目と紅い唇が良く映える
美しい女だった。
自分の女にしたいと
己の中の理性が叫んでいた。
しかし、その女は
声をかけても
優しくしても
中々誰にもなびかない奴だった。
どうしたらお前の心を捕まえることができるのか…?
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「おい!雪!お前今度の任務はどこなんだ?」
廊下の遠くにいた、
雪のような女を呼んで
声をかけた。
「宇髄様。遊郭です。」
「は?!遊郭?」
「はい。」
「なんで?お前が…遊郭なんかに」
「敵を騙すために遊郭に入りそこで働き情報を集めろとの事。」
「遊郭に鬼でも出るのか?」
「上弦の鬼が出入りしてるとのこと。目立たない私が適任だとお館様が…」
「お館様が??」
(目立たない?そんなわけねぇだろうが、そんな派手な顔してて目立たねぇわけがねぇ!お館様…そりゃないぜ。)
「そういう事なので、私は行ってまいります。」
「おい!まて!まて!!」
「なんでしょう?」
「なんでしょう?…じゃねぇよ。おめぇ1人じゃ心配だ!俺がお供しよう。」
「いえ。仮にも私は柱です。ご心配は無用です。では。」
「お!おい!」
雪は目にも止まらぬ速さで消えてしまった。
ほんとに冨岡の女版みたいなやつだな…