第3章 水と日の呼吸 【竈門炭治郎編⠀】
「雪さん!!雪さん!分かりますか?ここは蝶屋敷です!俺は炭治郎です!」
「た…んじろう…。夢かな…好きな人が…目の前にいるなんて…ッツ。」
「え?好きな…人?」
戸惑う炭治郎。
「怪我して逆によかった…かな…、炭治郎と…一緒に…過ごせる…」
「夢じゃありませんよ、雪さん。本物の炭治郎です。それに、怪我してよかったわけないじゃないですか!!俺すっごく心配したんですから!」
「あは…ごめんなさぃ…ちょっと…ヘマして。」
「全く、心配かけないでください。貴方が怪我すると俺は自分が自分では無くなるくらい気が気じゃないんですよ。」
「どうして…?貴方が…?私でなんかを?」
そう言うと、
私の手を更に強く握り
私をしっかりみつめて…
「雪さん、俺は…っ…貴方が好きです!!」
「え?…何を…嘘っ…」
「嘘じゃありません!ここ何日かで、やっとこの想いに気づきました。しかし、僕だけの思いを押し付けては行けませんし、雪さんの気持ちも聞きたいです。」
「私は……」
私はしっかり一呼吸置いてから
何とか自分の気持ちを伝えようと
痛みを堪えながら炭治郎の力を借りて
身体を起こした。
炭治郎の目を見て答えた。
「私も…炭治郎のことが好き。自分でも恥ずかしいくらい他の人に嫉妬したり…気になってずっーと考えちゃったり……もう。どうしてくれるのよ。」
それから私はもう、涙が止まらなくなった。
「そんなに泣かないでくださいよ!折角想いが通じたのに…。」
「っ…だって…ヒック」
泣き止まない私を見て炭治郎は
私に手を伸ばして抱き寄せた。
【スッ…ギュッ】
「ごめんなさい。身体痛いのにこんなことしてしまって、元気になったら僕の事殴ってください。」
「バカッ…大好き……んっ…」
炭治郎からそっと口付けてきた。
「…ん…はっ…。僕も…」
それから深く口付け
お互い離れた時には
息が切れていた。
「…ッ……ハァハァ…愛してます。」