第3章 水と日の呼吸 【竈門炭治郎編⠀】
胡蝶さんが最後去り際に
「そう言えば、さっきは慌ててましたから言いそびれましたけど…」
「はい。なんでしょう?」
「この間竈門くんが重症の時に輸血が必要になって
足りなかったのを助けてくれたのは雪さんでしたよ。
お二人とも気が合いますね。
任務以外はほとんど看病してましたし。」
「そうだったんですね……」
「では、一時、看病を頼みますね。」
そう言って、胡蝶さんは出て行ってしまった。
「……………雪さん、
俺初めてこの気持ちの正体に気づきましたよ…。」
そう言って、
白くて今にも雪が降りそうなほど冷たい
手を炭治郎は握り、傍に寄り添った。
手を握るだけで
心が満たされる。
その唇に触れたくなる。
抱きしめたくなる。
愛したくなる。
なんで今まで気づかなかったのだろう。
そう、この体が奥の熱が疼くような
この気持ちは…………
そう…………
…………………………恋心。