第3章 水と日の呼吸 【竈門炭治郎編⠀】
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「胡蝶さん、禰豆子さんはどうしますか?」
「私の屋敷へ。」
「分かったわ。」
私は隠の人に木箱を渡し、
そこから立ち去ろうとしたが
実弥が直ぐ向かってきて…
「おい!さっきはなんの真似だ?
ふざけてんのか?あ?てめぇは昔から気に食わねえ。
冨岡と一緒だ!」
「負け犬の遠吠えね。」
「早くこの技解け!」
「貴方が反撃しないなら解くわ。」
「………チッ。お館様に言われてるからもうしねぇよ。」
「分かったわ。」
そうして、私は技を解いた。
技の解かれた不死川さんは
そのまま立ち去り、他の柱もその場から
かえっていった。
「冨岡さん。」
1人残っていた冨岡さんに声をかける。
「なんだ?」
「止めて頂きありがとうございます。さすがに柱を2人も止めるのは難しいので伊黒さんを止めて頂き助かりました。」
「問題ない。お館様がそう仰っていたからな。」
「そうなのね。流石だわ、お館様わ。」
「そうだな、お前は反対では無いのか?」
「私?私は、鬼は許せないこともあるけれど炭治郎君の言う通り善良な鬼もいるはずよ。」
「お前、本当はいつからいたんだ?」
「お館様が入ってくる少し前に門について
隠の人が慌てていたからわけを聞いたら
訳を聞いて、機会を伺っていたの。きっと実弥ならああしかねないと思って。」
「…なるほどな。合点がいった。そういう事だ。また、なんかあったら炭治郎を頼む。」
「えぇ。私も首を賭けてみるわ。」
そう言うと、冨岡さんは少し微笑んで帰っていった。
「さて。早速様子でも見に行きましょうかね。」
私は踵を返して、胡蝶さんの屋敷に向かった。