【うたプリ】My only prince.【R18】
第7章 その時には手を繋いで〘セシル〙
「天音、本当に気にしなくていいのですよ」
『大丈夫。ありがとうセシルくん。』
セシルくんはホッとしたようにため息をついた。それでもまだ心配そうな顔をしているセシルくんは、私の顔を覗き込んだ。
「また何か言われたら必ずワタシに言ってください。ワタシはいつだってあなたの味方です。」
『うん、ありがとう…』
どうしよう、めちゃくちゃドキドキしちゃって今の私の顔はきっと真っ赤だ。近いセシルくんの顔がすごくかっこよくて、見とれちゃいそうになってなにも考えられなくなりそう。そんな中頭の中をよぎるのは、セシルくんってめちゃくちゃかっこいいなぁ、なんて当たり前のことで、我ながらなにを考えてるんだろうと思う。
「天音、どうしましたか?顔が赤いようです」
『えっ、あ、いや!そんなことないよ!?…ていうかこの廊下暑くない?だからかも…?』
「そうですか。」
少し寂しそうなカオをしてセシルくんは私から顔を離した。
「ひとつ聞きたいことがあったんです。」
『なに?』
「天音はそれでもカミュが好きなのですか?」
『えっ?!』
私がカミュ先輩を好き???
『ちょっと待ってセシルくん。』
「どうしましたか?」
あっかわいい。じゃなくて、私が好きなのはセシルくんなのに。
『私が好きなのはカミュ先輩じゃないよ。』
「えっ?!そうなのですか?!」
セシルくんはとてもびっくりしていた。けれどその後に少し考えて、また不思議そうな顔をした。
「じゃあ、天音が好きなのは誰なのですか?」
『エッ』
「好きな人がカミュではないのなら、誰なのですか?」
私の言い方がいけなかったか。それでは私にはあくまで好きな人はいるがカミュ先輩ではない、という風に取られてもおかしくない。