【うたプリ】My only prince.【R18】
第7章 その時には手を繋いで〘セシル〙
「天音、ワタシは天音が好きなのです。」
『えっ!』
「驚くことではありません。みんなは気づいているようでした。」
『えっあ、え…本当に…?』
「本当です。天音の口から他の人の名前を聞く前に、言ってしまいたくなりました。」
そう言うと、セシルくんは私の手を取って私の方へ一歩進んだ。
「天音はワタシのこと、好きですか?」
好きだよって言いたいのに、声が出ない。
喉に力が入りすぎているのか、声を出したらきっとすごく震えてしまう気がする。
すると、セシルくんは私の頬に優しく手を当てた。
「天音、顔が赤い。私のせいですか?」
私がゆっくり頷くと、ぎゅっと強く抱きしめられた。
「ワタシがいつもあなたの笑顔の理由になります。マイプリンセス。」
私の王子様がそう呟いた。
「うむ。やっとか、愚民め。
……俺にしておけば良いものを。」
fin.