【うたプリ】My only prince.【R18】
第7章 その時には手を繋いで〘セシル〙
「カミュ!また天音を泣かせたのですか!」
「騒がしいぞ。少しは静かに出来んか、愚民め。それに泣かせてなどいない。」
『大丈夫!本当に大丈夫だから、セシルくん、ね?』
セシルくんは私とカミュ先輩を遮るようにして立ち、鋭い眼差しをカミュ先輩に向けている。
「おい月野、本当に泣いているのか」
『な泣いてません!!ちょっとへこんでただけで…カミュ先輩、もしかして心配してくれ』
「そんな訳が無かろう。…ただ、泣かせるつもりはなかったというだけだ」
ほら、カミュ先輩は本当はちゃっかり優しい。セシルくんはほとんど気づいてないみたいだけど。
「カミュは天音にもワタシにも厳しすぎます。」
「黙れ愚民。これくらいで音を上げているようで、この芸能界を生き抜けると思うでないぞ。」
「…そんなことわかっています。天音、行きましょう。」
『うん…』
セシルくんはぐっと私の手を取って歩き出した。こういう時に急に男らしく見えちゃって、またキュンとする。いつか、恋人繋ぎで手を繋げたらいいなぁ。