第4章 つもりに積もったチリは、華となるか、凶器となるか。
「…………っ、ぅ」
「ねぇ、凛ちゃん」
ぷい、と背けた視線が、答えだよね?
……━━どうしよう。
なんでこんなに、かわいいの?
凛。
「気持ちいい?」
「………」
「気持ちいい?凛」
………ああ、ほらまた。
締め付けて離さないくせに、なんでそんなに素直じゃないの?
こんな状態でもまだ頑なに理性が残ってるのもほんと驚き。
耐性、ってやつかな。
だけどそろそろさ、凛ちゃん。
素直になって?
「凛」
首筋へとあてがった硬い、牙。
ビクン、て。
凛が反応した。
でもね。
「かける、やだ、待って」
「待たない」
遅いよ、反応。
まぁもっとも、手の自由奪われたままの凛にどんな抵抗ができるか不明だけど。
ペロリと唇を舐めあげてから。
柔らかな肌へと喰らいついた。
「………っ、ぅ、ぁあ、あ」
甘い甘い血液を、堪能する。
力がみなぎってくるようで。
血が、興奮する。
身体中の血液が、震える。
甘くて。
美味しくて。
止(と)まらない。
止(や)められない。
「ねぇ凛」
ひとしきり堪能してから、顔を上げれば。
トロトロに溶けきったかわいいかわいい最愛の人。
目はうまい具合に潤んでいて。
酸素を取り込むために開いた半開きのままの、唇。
頬も体も全部、熱をはらんでいて。
「………気持ちいい?」
「………ん」
にこぉ、と幼子のように微笑むと。
凛は首を起こして、額を擦り合わせ甘えてくる。
「きもちいい、翔琉」
「……っ」
ああ、無理。
ギャップが……。
「欲しい?もっと」
「ほしい、もっと」
「………あげる」
壊れるくらいに、バカみたいに夢中で腰を振り続けた。