第4章 つもりに積もったチリは、華となるか、凶器となるか。
「お願い……っ、取ってこれ…ッッ、暗いの、いやっ」
「だから駄目だってば」
「外してよバカっ」
ガチャガチャと頭上で凛の両手を拘束するベルトを鳴らしながら。
足までバタつかせ暴れる凛。
ほんと、こんなときまで強情だよね。
「翔琉!」
「だから、ちゃんと教えてくれたら全部外してあげる」
「………っ」
「残念。チャンスはあげたのに」
「━━━ふ、ぅ、……っぁ」
ガリ、と自分の舌を噛みきって。
凛の唇へと深く口付ける。
コクン、と喉を鳴らしたのを確認して、唇を離した。
「今度は気失わせないから安心して?」
「翔琉……」
「うん、辛い?」
「あ、っぃ……っ」
「すぐ悦くなるよ」
「はずして、おねが……っ、にげな、から、ぁ」
「駄目」
拘束も目隠しも、逃がさないためじゃないから。
だってもう、動けないもんね?
朝から少しずつ少しずつ凛の体内へと流し込んだ血液は、すでにたぶん、身体中の温度を上げているはず。
強力な媚薬となって、凛の身体を支配してはずだ。
「言ったでしょ、凛を監禁するって。他の男と浮気なんか出来ないようにね」
「浮気、してない……」
「男とふたりきりになった時点で浮気だよ?」
「………」
「まして吸血鬼となんて、危うく殺されてたよ?」
「しらない、もん。吸血鬼と人間の見分け方なんて、きいてない……っ」
「凛ちゃん」
横たわる凛の体に跨がり。
服の上から膨らみに手を伸ばせば。
ビクン、と正直に反応を示す、身体。
「言いたくなったら教えてね」
唇を耳へと寄せて、舌で耳を愛撫する。
ついでに右手は、弾力のあるその形を楽しむように指先を沈めた。
だけどその頂きには触れず、服もそのままに。
凛の反応を、楽しんだ。
「翔琉……っ」
「なに?」
「━━━━━ッッ」
両足を擦り合わせ、唇を噛む凛。
真っ黒なアイマスクが、凛の白い肌に良く似合ってて。
吐き出される吐息が。
紅潮する頬が。
堪らなく欲情を煽っていく。