第4章 つもりに積もったチリは、華となるか、凶器となるか。
そう。
怒ってる。
容易く男とふたりになんてなって。
挙げ句襲われて。
殺されそうになって。
女の凛が、男の、まして吸血鬼相手に逃げられないのは仕方ないことだと思う。
力でなんて敵うはずもないし、まして咬まれたなら、もうそれはただ終わるのを待つしかない。
だけど。
凛は自分から無防備に男とあったんだ。
ふたりきりになった。
男の車に乗るのがどんなに危ないかわかってたはずなのに。
『先輩』だから。
たったそれだけの理由で。
凛は自分の身を危険に晒した。
凛を危険に晒すのは、いくら凛でも許さない。
だから、ねぇ。
『覚悟して?』