• テキストサイズ

Deep Blood ーラブヴァンプー

第4章 つもりに積もったチリは、華となるか、凶器となるか。


「や、やめぇ━━っ、翔琉、やだ」
「辛いんじゃない?これ。今日何回咬まれたっけ」
「ぃ、っぁあん……っ」





『あのあと』。
そう。
あのあと。
あの時翔琉が来なかったらあたしはたぶん確実に死んでた。
身体中の血液全部、飲み干されて。
体温が奪われて。
感覚がなくなって。
視界も朧気になっていく。
指先ひとつ、動かせなくて。

ああ、あたし、死ぬんだ。

あの時確かにあたし、それを覚悟した。



『凛っ!!』




そう呼ぶ、翔琉の声を聞くまでは。




それから気付いたら、自分の家で。
自分のしでかした事の重大さに気付いたのは数秒後。


殺される。


素直にそう思い、青ざめながら頭に浮かんだのはたったひとり。
怒りにまみれてる時ほど笑顔が怖い、たぶんあたしの恋人って定義であってるはずの人物だ。
もちろん学校をサボることも考えたけど、家でひとりでいても翔琉なら絶対上がり込んでくるし。
なら大勢いる学校の方が安全。


………なんて考えたあたしの思考回路幼稚すぎ。



大学着くなり捕獲されちゃうし。
挙げ句咬まれて意識なくなるし。
それを二度三度、繰り返されれば嫌でも気付く。


『わざと』、だ。


咬まれていくら気を失っても、媚薬のようなあの感覚は残る。
残るどころか、それは蓄積されて。
大学とゆー公衆の面前な手前、それは耐えるしかなく。
咬まれた牙から流し込まれた血液とか唾液とか。
濃度の違う翔琉の体液は、いつまでも色濃くあたしの中へと入ってくるのだ。






「やだ、ぃああ……っ」



下着越しに割れ目を何度か往復するだけで簡単に濡れる体。
勝手に上がる息遣い。


「イっちゃいそう?限界?」

爪先でカリカリと引っ掻くように擦られれば。
仰け反り弓なりに体を反らし溢れる蜜。



「ん……っ」



裾から難なく侵入した掌は、迷いなく膨らみへと伸ばされ、形を変えるように揉みしだく。



「翔琉……っ」


キスをねだるように自分から顔を寄せれば。


「駄目。あげない」


唇に触れたのは、翔琉の掌。


「まだこのまま我慢して?言ったでしょ?俺怒ってるんだよね」



/ 79ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp